介護保険制度の構造的問題
まずは、下のリンクのニュース
「老人福祉・介護事業」の倒産が急増、2016年は2000年以降で最多の108件
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170111-00010000-biz_shoko-bus_all&p=2
介護報酬を下げれば、介護事業所の経営が悪化し、低賃金による介護職の離職が進む。
事業所への介護報酬を上げれば、保険料やサービス利用料にはね返り利用者の負担増になり、サービスの抑制が進む。
どちらにしても、「地獄への道」。
制度自身の構造的問題を解決しないかぎり、超高齢化社会に対応できないと思います。
介護保険の財政構造を大雑把に言うと、
・総事業費の10%は、利用者の利用料。(いわゆる1割負担)
・総事業費から利用料10%分を差し引いた残り90%の内、半分が保険料(65歳以上の1号被保険者と40歳以上の2号被保険者)、半分が公費(国50%、県25%、市町村25%)
利用料、保険料、公費の割合が固定されているため、総事業費が膨らめば必然的にそれぞれの負担がその割合で増えるという仕組みです。(霞が関官僚が編み出した「自動値上げシステム」)
今後、超少子高齢化社会に突入していく中で、総事業費がさらに膨らむ中で、利用料・保険料の負担に耐えられるでしょうか。保険料はすでに制度スタート時と比べて平均でも2倍以上になっています。
そこで、国が2015年の介護保険制度改訂でとった方法は、軽介護度のサービスを介護保険が切り離すことと、介護報酬の引き下げ。
はっきり言って、「弥縫策」にすぎません。
介護保険制度の財政構造における負担割合を変え、公費(特に国費)の投入割合を増やす以外に解決の道はありません。
その財源はどうするのか?
逆進性の強い、つまり所得の少ない人ほど負担の大きい消費税の増税では、意味はありません。
累進性の強化による高額所得者への所得税増税とこの不況の中でもマネーゲームによって資産を増やしている金融資産課税(1億円以上)によって、財源を生み出し、それを再配分することです。
税制による再配分機能によってこそ、超高齢化社会の介護サービスの問題は解決できるのです。
そこがわかってないよなぁ、民進党は。(自民党は論外としても)
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