2017年12月 9日 (土)

公共施設の今後のあり方

先日の一般質問で取り上げたテーマの一つである「公共施設の今後のあり方」について報告しておきます。

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*お時間のある方は、座間市議会インターネット中継でご覧ください。
http://www.kensakusystem.jp/zama-vod/index.html

座間市の取り組み

座間市では現在、2018年度を目標に座間市公共施設再整備計画の策定作業が進められています。これに先立って、公共施設の将来的なあり方を検討する方針(又は指針)が作られてきました。具体的には

・2012年度:座間市公共施設白書(建物系の公共施設の資産価値、コスト等)

・2014年度:座間市公共施設利活用指針(建物系の更新費用の試算、利活用の方針)

・2015年度:座間市アセットマネージメント基本方針(道路なども含めた全ての公共施設の今後の方向性)

・2016年度:座間市公共施設再整備計画基本方針(再整備計画策定に向けた方向性)

と、ほぼ毎年のようにこうした方針を策定しています。

更新費用の試算数字がなぜこんなに違うのか?

これらのものには、全て「今後20年間」の建物系の公共施設の更新費用の試算が示されていますが、2014年度の「座間市公共施設利活用指針」と2015年度「座間市アセットマネージメント基本方針」では、大きくその数字が違っています。

座間市公共施設利活用指針では、

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座間市アセットマネージメント基本方針では、

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ご覧のとおり、今後20年間の建て替えや大規模修繕にかかる費用はほぼ変わりませんが、不足額はわずか1年で約300億円から約128億円に、年額で言えば15億円から6億円へと、半分以下になっているのです。

これは「公共施設利活用指針」では、支出費目を「維持補修費」で計算していたものを、「アセットマネージメント基本方針」では、普通建設事業費から道路、橋りょう等の都市基盤系施設を除いたものに変更したことによるものです。建て替えや大規模修繕は、「維持補修費」ではありませんから、変更後の普通建設事業費の数字を用いるのが妥当だと私も思います。ではなぜ、「座間市公共施設利活用指針」では、維持更新費用の試算において維持補修費を用いたのでしょうか?また、翌年に策定された「アセットマネージメント基本方針」では、本来なら重要な試算基準の変更があったわけですから、その理由を含めて説明すべきであったはずです。ところが、そうした記述は全くありません。

まがりなりにも、重要な行政方針の基礎となる試算結果がわずか1年で大幅に変更されているにもかかわらず、何の説明もないというのはいかがなものか?という質問をしたところ、当局の答弁は、

「当時適切を考えられる条件の元、算出した」

と答えたのみ。理由の説明は一切ありませんでした。

意図的な数字の使い方?

直近の指針である「座間市公共施設再整備計画基本方針」の更新費用試算は、前年度に策定された「座間市アセットマネージメント基本方針」の数字をそのまま使って、20年間の更新費用の総額は、389億5400万円(年平均約20億円)。2012年度~2014年度の普通建設事業費(投資的経費)から道路などの都市基盤系施設を除いた平均額が13.61億円なので、毎年6.39億円、20年間で127億8000万円の不足となるとして、「現有公共施設を3割程度縮減しなければ今後の維持が困難である」と記述しています。

下の表は、2012年度~2017年度(2017年度は予算ベース、他は決算ベース)の座間市の普通建設事業費の推移。

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ご覧のように、座間市では右肩上がりの数字となっています。ここで疑問となるのは、2016年度に策定した「座間市公共施設再整備計画基本方針」の更新費用試算で、なぜ2012年度~2014年度の数字を使ったのか?ということ。

そこで、直近の2014年度~2016年度の数値を使った場合どうなるかと質問したところ、

「この3ヵ年の平均では、22億6500万円となる」

とのこと。ということは、年必要額20億円を超えますから、今後20年間全ての公共施設を建て替え、大規模修繕したとしても財源的には、不足額は生じることはなく、論理的には「3割程度縮減」ではなく、「すべて維持できる」という結論になってしまいます。つまり、「結論」が大幅に違ってくるのです。

今、座間市ではこの「座間市公共施設再整備計画基本方針」をもとして、各担当が部局ごとの公共施設再整備計画を策定中ですが、これではおおもとの「基本方針」の妥当性が問われます。そんな状態で各部局ごとの再整備計画は策定できるんですか?と聞いたところ、返ってきた答えは、

「特定の年度の決算額に着目し、一喜一憂するのではなく、長期的な視点にたって公共施設を良質な資産として残すための最善の手法を検討する」

「一喜一憂する」? 別にそんなことで一喜一憂なんてしていませんよ。あくまでも「試算」ですから、数字上は不足額なしで全ての公共施設の更新できるとなったとしても、その他の諸条件によって、その通り行くかどうかは不確定なのは当たり前です。しかし、現状を比較的正確に捉えるためには、方針策定にあたって直近の数字を使うのが常識じゃないんですか、ということです。

結論ありき?

では、なぜここまで頑なに私の指摘に対しあくまでも「方針の正当性」に固執するのか?

一つは、「行政の無謬性」の神話。「行政は間違わない」「間違いを認めない」という姿勢からということ。これは、残念ながら行政組織の「習性」として未だに一般的ですね。

もう一つは、これは邪推かもしれませんが、はじめから「公共施設の縮減」という「結論」が先にあるので、正確な数字を使うとその「結論」を導き出すことができなくなる、「困ったことになった」ということではないでしょうか。そもそも、公共施設縮減を根拠づけるための試算なのに、不足額がなくなる計算だと「これはまずい」という心理が働いたのではないかと思わざるを得ません。

いずれにせよ、誰かさんじゃありませんが、もう少し「真摯」に向き合い、「ていねいな説明」が求められていると思いますよ。

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2017年12月 2日 (土)

教育機会確保法って何?

昨日は、私の一般質問でした。

感じたのは、昨日の市長の答弁は(その中身の是非はともかく)比較的わかりやすくその考えや思いが伝わってくるものがありましたが、担当部長の答弁は、言葉も少なく、「聞いていることに正面から答えない」、そんな印象です。特に今回、市が自ら策定した「方針」や「指針」の不整合について、具体的に示しながら聞いているにもかかわらず、説明責任を果たしていません。

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さて、昨日の議論では、いろんな論点がありましたが、ここでは、「フリースクール」に関することについて、私の質問要旨をご紹介しながら、ご報告をします。

この素晴らしい演説をしたのは誰?

まずは、ある方の演説の一節をご紹介。

「我が国の未来。それは、子どもたちであります。  子どもたち一人ひとりの個性を大切にする教育再生を進めます。先般成立した教育機会確保法を踏まえ、フリースクールの子どもたちへの支援を拡充し、いじめや発達障害など様々な事情で不登校となっている子どもたちが、自信を持って学んでいける環境を整えます。」

この「ある方」とは、内閣総理大臣安倍晋三さん。これは、安倍首相が今年の通常国会冒頭で行った施政方針演説の一節です。

「あの安倍さんがめずらしく良いことを言っている」というのが、率直なところなのですが、調べてみると実は今回だけではないのです。安倍首相は、ここ三年間連続して施政方針演説の中で、「フリースクールで学ぶ子供達を支援する」ということを語っています。

教育機会確保法って何?

では、安倍首相の言及した教育機会確保法とは何か?と言うことですが、昨年十二月に成立した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」というのが正式名称で、超党派の議員立法で成立したものです。

当初、法案提出の中心となった国会議員たちの検討過程では、不登校の子ども達がフリースクールや自宅での学習を選択でき、学校以外も義務教育として認めようとする内容でした。ところが、「まずは学校を充実させるべき」という意見や「学校に行かないことを安易に認めるべきではない」といったような意見が、与野党を問わず出され、法案は大幅に修正され、いわば両者の「妥協の産物」のような内容となっています。とは言え、成立した法律を読み込んでいくと、いくつかの特徴的なことが見受けられます。

一つは、子どもたちが休む必要性を認めていることです。法律の中には、「個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ」という記述がある他、本法律に基づいて出された文部科学省の基本方針では、「登校という結果のみを目標とするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある」と定めています。

二つ目は、学校以外のフリースクール等で学ぶことも重要であると認めていることです。第13条「学校以外の場における学習活動等を行う不登校児童生徒に対する支援」では、「不登校児童生徒が学校以外の場において行う多様で適切な学習活動に鑑み」として上で、その支援のために、「国や地方公共団体が必要な措置を講ずるものとする」と規定しています。

三つ目は、行政とフリースクール等民間団体との連携の必要性です。第3条(基本理念)では、「国、地方公共団体、教育機会の確保等に関する活動を行う民間の団体その他の関係者の相互の密接な連携の下に行われるようにすること」として、連携すべきことを定めています。

教育機会確保法を活かすことはできるのでは

私は、あるきっかけがあってこの法律を読み込んでみました。(この「きっかけ」とは何かはちょっと控えさせていだきますが) 私は元々フリースクールも、教育のあり方の一つとして認めるべきだと思っていましたし、だいぶん以前にそうした議論を議会の場でしたこともありました。そんなことから、今回この法律を読み込んでみて、「妥協の産物」とはいえ、これを活かせることはないのだろうか、という考えから、今回の質問のテーマに取り上げたのです。

教育機会確保法について教育長、市長に聞いてみた

具体的な質問事項は以下のような点です。

教育長に対しては、

・過去5年間の市内小・中学校の不登校児童生徒数の推移及び90日以上欠席している児童生徒数の推移は?過去5年間の教育支援教室に通う児童生徒数の推移は?

・教育機会確保法について、教育長の所見は?本法律の成立を受け、本市の教育行政施策の拡充、変更等はあるのか? 

・多様な教育機会を提供しているフリースクールなどの民間団体の活動をどのように評価しているのか?

・フリースクール等との連携について、現在、連携・協議等はおこなわれているのか?

・教育機会確保法の成立を受け、今後のフリースクール等との連携について、どのように考えているのか?

・夜間中学のニーズについて、どのように考えているのか?

市長に対しては、

・法律において位置付けられた多様な教育機会を提供している民間団体へ財政的支援を行うことについて、どう考えているのか?

詳しい(正確な)答弁の内容は、一週間後にアップされる座間市議会インターネット中継の録画をご覧いただければと思いますが、私のメモに基づいて少し報告すると、

まず、座間市の不登校児童生徒数(小・中学校)は、2016年度で156人(全国12万6千人)。そのうち、90日以上欠席は78人(全国7万2千人)。座間市の人口は全国の概ね1000分の1、私はよく単純比較をする場合にこの1000分の1を使って計算しますが、それからすると全国比較では若干座間市が多いことになります。

教育機会確保法について教育長は、「学校以外の場における多様な教育の機会の提供が示されていることは、意味のあること」という趣旨の話をされ、「今後も(不登校児童生徒に対する)支援に努めてまいりたい」と述べていました。

フリースクールについては、「ありがたい」と表現した上で「『見守り』を中心として支援していきたい」と。フリースクールとの連携については、「本人や保護者と確認の上、事情を聴いている」「県や県央地区の協議会に市内のフリースクールも参加しているので、情報交換している」とのことでした。

法成立を受けた今後については、「これまでどおり、進めていきたい」。夜間中学のニーズについては、「県がアンケート調査を行っているので、それに本市も協力している」とのこと。

また市長は、財政的支援について、「教育委員会が必要だと判断すれば、対応していく」とのこと。

まあ、総じて「現状維持」の構えでしたね。私もこの法律のことを十分知らなかったので大きなことは言えませんが、法成立後の本市の教育委員会定例会の議事録を読んで見ても、教育機会確保法のことは私の調べた限り、話合われていません。確かに「中途半端」な内容かもしれませんが、法と法に基づいて出された文部科学省の基本方針は、使いようによっては多様な教育機会の場を充実させることができるのではないかと思います。行政が「現状維持」ならば、市民サイドからの、法に基づいた積極的ななアプローチ(市民イニシアティブ)が今後必要ではないかと思いました。

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2017年11月29日 (水)

あさってから一般質問

座間市議会は、12月1日から一般質問が始まります。(12/1日.4日.5日) 私の登壇予定は1日の二番目ですから、おそらく午前10時頃からと思われます。

今回の私の質問テーマは以下のとおり。

1.公共施設の今後のあり方について

2.住民票、マイナンバーカード等への旧姓併記について

3.教育機会確保法に基づく教育機会の確保について

4.市長の政治姿勢について

1.については、ここ数年座間市が策定してきた公共施設の管理計画(座間市ではファシリティマネージメント推進事業と称していますが)について、質します。どういうことかと言えば、「高度成長期に建設された公共施設が今後更新時期を迎え、一方で少子超高齢化社会の突入で、その財源も今までどおりでは見通せない、だから、長期的な管理計画を立て、総じてダウンサイジングしなさいよ」というもの。さらに付け加えれば、今後施設の更新(建て替え)を行う時は、PPP(官民連携事業)で資金も運営も「民間」にまかしたらどうよ、ということで今、全国の自治体でこうした計画づくりが行われています。

今回は、主に座間市がこれまでつくってきたいくつかの「基本方針」の内容について議論したいと思っています。特に、他の自治体でもそうですけど、必ず将来に向けた建て替え等の費用計算をしていますが、これがほんとうに正しいのかどうか、けっこう疑問な点が多くあります。この辺を中心にして、将来のあり方について議論したいと思います。

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2.については、この前のブログでも報告した先日の総括質疑の続き。前回私の再質問に、ほとんど答えていなかったので改めて質すものです。論点は、「ほんとうに役にたつのか」 「まっとうな手続きがなのか」「自治体の負担が重いのではないか」 こうした点です。

3.については、昨年12月に超党派の議員提案で教育機会確保法という法律が成立しました。当初は、フリースクールなども義務教育の一環として認める方向だったようですが、旧来の「学校に戻すべき」という反対意見によって、フリースクールは明確に認められなかったものの、「連携」という言葉はなんとか入っています。本市における「連携」とは?またその内実は?ということを議論したいと思います。

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<日の目を見なかった法案の仕組み>

4.については、1.と3.の問題に対する市長の政治姿勢を問うていきたいと思っています。

ぜひ、傍聴が可能な方は、お越しください。またインターネット中継でもご覧なれます。
座間市議会インターネット中継
http://www.kensakusystem.jp/zama-vod/index.html

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2017年11月24日 (金)

マイナンバーカード等への旧姓併記って何?

今日から始まった座間市議会第4回定例会に提出された補正予算案の中に、「戸籍住民基本台帳管理経費補助金(住基システム番号制度旧氏対応改修事業)」「番号制度対応システム事業費」というものが含まれています。補助金と事業費は同額の691万1千円で、全額国庫補助による事業費です。

マイナンバーカード等への旧姓併記

どういうことかと言えば、総務省の説明ではこうです。

「女性一人ひとりが自らの希望に応じて活躍できる社会づくりが必要」

「希望する者に係るマイナンバーカード等への旧姓の併記等を可能とするよう、関係法令の改正を行うとともにシステム改修を行う」

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その理由については、

「内閣府の世論調査によると、結婚をして名字を変えると仕事上不便を感じる働く女性が5割近くおり、民間調査では、働く女性の25%が旧姓を使っているなど、旧姓併記へのニーズがある」

としています。

確かに、ここで述べられていることについては私もそのとおりだと思いますよ。しかし、こうした問題は、本来なら、選択的夫婦別姓制度を導入すれば解消されるものと思われますが、安倍政権がとった対応は、選択的夫婦別姓制度には手を付けずに、旧姓併記ということのようです。

何が旧姓併記可能となるの?便利になるの?

総務省の説明では「マイナンバーカード等に旧姓の併記を可能とする」としています。お気づきのとおり、「等」と言うからには他にも旧姓併記が可能となるものがあると思われますので、今日の私の質疑で聞いてみたところ、

「マイナンバーの他には、住民票、パスポート」

とのこと。では、どのような利便性があるのか?とたずねたところ、

「旧姓を使っている方でも、戸籍上の名前と同一性を確認できる」(そんな趣旨でした)

とのこと。

ほんとうに便利になるのか?!

当たり前の話ですが、市区町村は住民基本台帳を管理しているだけでありません。税や福祉、教育などに関わる個人情報を取得し、管理し、必要に応じて諸証明を発行したりしています。例えば、保育園に入所する場合、保育料は保護者の所得に応じて設定されていますから、所得の確認が必要となってきます。その場合、税情報のシステムが旧姓併記に対応していなければ役に立たないのではないか、と再質疑でたずねたところ、明確な回答は返ってきません。

現在座間市では、保育園の入所にあたって保護者の所得確認は、住所が市内の方の場合は保育園の担当部署から税務の担当部署に照会をかけ確認し、市外の方の場合は課税証明書の提出を求めているとのこと。もし保護者が旧姓で申し込んだ場合、税情報のシステムが旧姓併記となっていなければ、確認のしようがないということになるのです。

この他にも、所得による違いが出てくるものとして、子育て分野では児童手当や幼稚園就園奨励金などあり、さらに福祉関係でも所得把握が必要なものがけっこうあります。こうした市のサービスを受ける際に、税情報のシステムが旧姓併記に対応していなければ、役に立たないのです。税情報のシステムは今回対象となっておらず、もしこの分野でのシステム改修を行うとすれば膨大な費用がかかることになります。

法律の改正がされていないのに、システム改修だけが進む

総務省も「関係法令の改正を行うとともにシステム改修を行う」と言っていますから、当然法改正は済んでいるだろうと思って聞いてみると、

「まだ行われていない」

とのこと。あわせてシステムの運用開始はいつから?と聞くと、

「国から示されていない」

と「わからない」のオンパレード。本来なら、まずは、関係法令の改正を行い、法律又は政令の施行日を定め、その間に予算措置を行い、準備を整えるというのならばわかりますが、関係法令がどのように改正されるかまだわからない、運用がいつから始まるのかもわからない、そんな段階でシステム改修だけ先行させるというのはいかがなものか、と聞いたところ、それには残念ながら答弁はありませんでした。

地方自治体の負担だけは莫大に

今回国からは「10/10補助」=満額補助として約700万円が計上され、その後の総務省のこのことに対する補助金額をみるとほとんどない(全国で2000万円、人口比で推測すると座間市2万円ほど)ので、今回の700万円でシステム改修は終了するんですね?と聞いてみると、

「現在国から示されている仕様書のとおり行うと、約3200万円ほどかかる」

という、驚くべき回答。では、差額の約2500万円はどこが負担するの?と聞くと、

「全額国の補助を要望しているが、市の負担も仕方ない」

という、またもや驚くべき回答。だって、マイナンバー制度の導入によるシステム改修で座間市の場合は、約1億円かかっています。本来は国の都合でやることになったわけですから、全額国庫負担が当然のこと。しかし、実際の補助率は50%にも満たないもの。差額分は市が全額支出しているのです。こうした苦汁をなめているわけですから、市としては、凛として「全額国庫負担が当然」と言うべきものじゃありませんか。

旧姓併記は何のため?

こうして見てくると、何から何までわからないことばかり。「女性の活躍」を言いながら、役に立たない制度をつくり、お金の後始末は地方自体へ押し付ける。全ては「マイナンバーカード普及のため」という政策的意図がみえみえの政策ですね。

PS そうそう、「表題」からしておかしいのですよ。マイナンバーカードに旧姓を併記する場合、もとになる住民票に旧姓を記載する必要があります。住民基本台帳法第7条には住民票の記載内容が14項目列記されていて、住民票に旧姓を記載するためには、この第7条に加えるか、第7条14項に規定されている政令を改正することが必要であり、本来なら「住民票の記載事項の充実」のはずです。

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2017年9月30日 (土)

市議会第3回定例会が終わりました。でも、すごい1か月半だった。

市議会第3回定例会が終わりました。でも、すごい1か月半だった。

昨日、座間市議会2017年第3回定例会が閉会しました。この定例会の主な案件は、2016年度の一般会計、特別会計、企業会計の決算の認定について。私の評価を討論で述べました。以下からご覧ください。

おきなが明久レポート web版
http://d.hatena.ne.jp/okinagaakihisa/?_ts=1506746795

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座間市議会は、毎年9月が役職の改選。かつては、議長・副議長は、「慣例により1年交代」でしたが、最近では議長は「2年交代」副議長は「1年交代」が定着しており、議長は昨年就任した京免議長が継続。副議長は新たに吉田義人議員が選出されました。なんで議長は「1年交代」から「2年交代」となったのかということですが、おそらく議員数の削減の影響でしょう。私が議員となった1996年の議員定数は28名。それが20年間経って現在は22名。いわゆる「市長与党」を自認されている会派のみなさんが持ち回りで、議長職に就いてきたですが、これだけ議員数が減ってくると、まさに「人材難」。それで2年交代にしてうまく持ち回りが回るようにと言うことでしょう。

ちなみに、地方自治法では議長の任期は議員の任期と同じ4年間。私はこうした「役職」には、全く関心がないのでどうでも良いのですが、どちらかと言えば、「4年間」が良いと思いますけどね。その方が、二元代表制の一翼としての(括弧付きの)「権威」が出てくる?かもしれない?って感じです。

最近は、「市長与党」のみなさんの団結が強いようで、以前はこの時期になると、普段議会ではほとんど発言されない保守系の議員さんたちが、ここぞとばかりに精力的に動き回るという微笑ましい姿を見るのが楽しみでしたが、持ち回りもうまく回っているようですね。

ちなみに、私はこの1年、以下の委員会です。

都市環境常任委員会(市民部、環境経済部、都市部、上下水道局の所管事項)

議会運営委員会

さて、そんな市議会の「イス取りゲーム」の話はさておき、世の中は激動しています。

第3回定例会が始まった8月後半頃には、民進党の代表選後の山尾志桜里さんの話でもちきりだったのが、中盤には臨時国会冒頭解散=「モリカケ隠し解散」の話となり、最後は民進党の解党、「自民党VS希望の党の政権選択選挙」なんていう事態になってきました。

さらに、政策的にも、アベ政権が民進党の「消費税10%引き上げ、それを福祉に回す」という政策をパクッたかと思えば、「希望の党」は消費税増税凍結、それに多くの旧民進党議員がなだれ込み、なだれ込みそうになると「安保法制や憲法改正に賛成する人じゃなきゃだめよ」という「踏絵」。

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まさに「倒錯した世界」が繰り広げられていますが、まさに「激動期」とはこういうものでしょう。私は「人は苦しい時にその人の本性が出る」と思っています。よ~く、誰がどのようにふるまうのか、見きわめていく必要があると思いますし、自分でもこうした激動期にどのような態度と行動をとるのか、しっかり考えていきたいと思います。

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2017年9月 9日 (土)

聞かれたことに答えなさい

昨日、私の一般質問がありました。

どういうやり取りだったのか、ということについては、少し整理してまたご報告したいとは思いますが、今日は、今回の印象的なやりとりをいくつか紹介しておきます。(なお、答弁については私のメモによるものなので、厳密な正確性はご容赦ください)

まず、厚木基地の爆音問題。

9月1日から5日にかけて在日米海軍の空母艦載機によって強行されたFCLP(陸上空母離着陸訓練)、訓練当日の通告と実施について市長はどのように受け止めているのかを質しましたが、市長の答弁は、

「北朝鮮情勢や台風の影響で硫黄島での訓練が不可能となるなど、やむを得ずと受け止めている」

移転先(岩国)で行われるべきである

という趣旨の発言。黒岩神奈川県知事他、座間市を含む関係9市の首長の連名で「ただちに中止するよう」求めているにもかかわらず、「やむを得ず」という発言や「移転先でおこなわれるべき」という発言には正直驚かされました。

次に、オスプレイについて

昨年12月の沖縄県名護市沖に引き続き、今年8月に在沖海兵隊所属のオスプレイがオーストラリアで墜落するなど度重なる事故を受けても、以前の市長発言=「オスプレイの戦略的も戦術的にも価値がある」「運用中止は求めない」という考えは変わらないのかという質問に対しては、

オスプレイだけではなく、自衛隊のヘリや防災ヘリが墜落するなど事故は起こっている。オスプレイに限らず慎重に運用していただきたい」

トラブルがあったことをあげつらって、『出ていけ』なんていうことは言うつもりはない

という発言。最初の答弁は、オスプレイの度重なる事故についての見解を質しているのに、「他のヘリも墜落しているじゃないか」と論点を避け、二番目はすでに米海兵隊全体の事故率をオスプレイは上回っているというデータをもとに事故率に対する見解を求めているのに、問われていることには答えない。まあ、どこかの首相の答弁と似ていますけどね。

しっかりとした見識に基づいた論理的な答弁には、当然ながら納得させらるものです。ところが、質問に対し正面から答えず、論点を避け、ただただ自己を正当化するだけの答弁には、ほんとに「うんざり」してしまいますが、昨日のやりとりは、あいかわらず後者の方。質問者としては、けっこうな忍耐力と精神力が求められることになりますが、これもまた本来は「民主主義の学校」とも言われる地方議会の役割。「民主主義の学校」の「学級崩壊」につながらないよう、今後もしっかりと続けていきたいと思います。

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<2014年厚木基地へのオスプレイ飛来に対する市長答弁>

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2017年9月 7日 (木)

明日から一般質問

座間市議会は、明日から本会議一般質問が始まります。(9/8、9/11、9/12) 私は15人中4番目ですからおそらく明日の午後1時ぐらいからの登壇になるのではと予想しています。

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今回の私の一般質問のテーマは以下のとおり。

1.市長の政治姿勢について
1)覚書見直しについて
2)厚木基地の運用について
3)オスプレイの運用について

2.マイナンバーを含む特定個人情報の漏えいについて

3.公共施設の使用料設定にあたっての基本方針について

1.は3項目に分かれますが、1)については、今回の覚書見直しに至る「経過」「その手法」「見直しの動機」「見直し内容」それぞれにわたって、市長の政治姿勢を問うていきたいと思っています。

2)については、最近行われた厚木基地での原子力空母ロナルド・レーガンの艦載機による陸上空母離着陸訓練(FCLP)の爆音問題について質していきます。

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<爆音を轟かせる米軍機>

3)については、昨年12月に沖縄県名護市沖で米海兵隊のオスプレイが墜落事故を起こしたことは、記憶に新しいところですが、去る8月には同じく在沖縄海兵隊所属のオスプレイが、オーストラリアでまたもや墜落事故を起こしています。遠藤市長はこれまでオスプレイについて、大変「好意的」で「画期的な軍用機」と評価されていますが、こうした度重なる事故を受けても考えは変わらないのか、聞いてみたいと思います。

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<着艦時のオスプレイ>

2.については、今年6月に発覚したマイナンバーを含む特定個人情報の漏えい事件。あれだけ事前に誤送付などによって漏えいの可能性があると指摘していただけに、深刻な問題です。原因と今後の対応を質して参ります。

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<特別徴収税額通知書>

3.について今年5月に改訂された基本方針の内容について質していきたいと思っています。これは、公民館や総合福祉センターなどの公共施設の使用料の設定にあたっての全庁的な方針を定めたものですが、現在、公民館などでは「社会教育団体」は「免除」=無料で使用していることから、パブリックコメントでは多数の反対意見が寄せられました。市はこうした声にいかに対応するのか、また、そもそも「受益者負担の原則」とはどういうことなのか、こうした点を議論できればと思っています。

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<高齢者の学びの場:あすなろ大学>

傍聴できる方は、ぜひ市議会へお越しください。また、インターネット中継もあります。
http://www.kensakusystem.jp/zama-vod/index.html

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2017年7月15日 (土)

常任委員会視察旅行 雑感

7月12日~14日にかけて私が所属する座間市議会企画総務常任委員会の視察旅行。視察地は、

①福岡市:PPP(官民連携事業)について

②柳川市:地域ブランド推進事業について

③熊本市:震災復興計画について

①は、私のリクエストが採用されての視察。このブログでも紹介してきたとおり、座間市初のPPP事業である上下水道局庁舎整備事業は、私からすれば(おそらく私だけでなく客観的に見れば)明らかに失敗事例。実は、福岡市も1999年PFI法の施行直後、地方自治体では全国初のPFI事業に着手し、経営破たんとなる失敗を経験した自治体。自治体の規模もPPPの事業規模も違いますが、福岡市は失敗の事例からどのような教訓を得たのか学ぶのが目的。

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行政視察しかも常任委員会視察ですから、PPP事業のそのもの是非論ではなく事業を執行するにあたっての課題をしっかりと学ぶ、という観点から臨みましたが、今回の座間市の事例に照らして示唆的なことを吸収することはできたのではないかと思っています。しっかりと今後の議論に活かしていきたいと思います。

②は、地域ブランド推進事業についてですが、福岡県出身の私の感覚からすれば観光地としても柳川のブランド力は相当なもの。すぐ思いつくだけでも「川下り」「北原白秋」「有明海の干潟」・・・・。(さらに個人的には柳川と言えば、私の高校時代、新聞部の関係で縁があった伝習館高校や怪物江川に徹底したバンド作戦と挑んだ柳川高校がすぐ思い出されますが)

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「これ以上に何を?」というのが率直なところだったのですが、取り組みの背景には(これは全国どこでも共通していますが)「人口減少」「中心市街地の空洞化」「第一次産業の後継者不足」がいった点からの危機感があるようです。「住んでよし、来てよし柳川」というキャッチに示されているように、最終的には「定住化」へいかに結びつけていくのかが課題のようです。

③は、いろいろ考えさせられました。この種の行政視察の場合、だいたい市役所に言って担当者から話を聞くというスタイルが一般的なので、おのずと限界はありますが、前泊だったこともあり市内を少し歩くと、ところところで家屋の解体作業が行われています。市内在住の大学時代の友人に話を聞くと、「公費解体」ということで「半壊以上」の建物を公費で解体してくれる制度によるものとのこと。友人によると、解体後の「展望」=建て替えのメドはないけれど、とりあえず公費が出るので解体というパターンも多いとのこと。本来なら、修繕で対応できる家屋も修繕支援金(最大150万円)だけでは賄えないため、解体となってしまっているとのこと。その結果、櫛の歯が抜けるような街並みになっているわけです。

これは、根本的には国の制度上(法律)の問題。住宅再建の公的支援は、阪神大震災以降やっと認められ、その後の制度改正によって額も増やされましたが、全壊で最大300万円。これでは、特に年金生活となった高齢者の方々などにとっては実質上住宅再建は不可能となってしまいます。居住家屋が全壊及び半壊となった被災者への公的支援金の増額が必要だと思います。

熊本市の場合、現在でも約1万1000戸が被災者用に住宅提供されているとのことでした。特徴は、仮設住宅が少なく(約500戸)、民間の賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設住宅」が約10000戸と圧倒的に多いことです。東日本大震災での仮設住宅の一戸あたりの整備費用は600万円~700万円にのぼるとのこと。それに比べると、熊本市の場合は民間賃貸の費用は仮設より安いはず。その分一人当たりの住宅支援(修繕、建て替え)に回せないものかと思います。(おそらく仮設建設費用のほとんどは国庫負担だと思うので)

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2017年6月29日 (木)

公文書管理の徹底を求める意見書 採択される

6月26日閉会した座間市議会第2回定例会、私は最終日の本会議に以下の意見書案を提出。採決結果は以下のとおりでした。

共謀罪の創設を含む改正組織犯罪処罰法の廃止を求める意見書の提出について

不採択
賛成:8人(会派に属さない議員3人、共産党3人、大志会2人)
反対:13人(自民党・いさま7人、公明党4人、明進会2人)

公文書の安易な廃棄を防止し電子情報を含めた公文書管理の徹底を求める意見書の提出について

採択
賛成:12人(会派に属さない議員3人、公明党4人、共産党3人、大志会2人)
反対:9人(自民党・いさま7人、明進会2人)

なお、その他の意見書案を含めた採決結果は以下のとおりです。

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共謀罪の廃止意見書については残念ですが、国会の賛否とほぼ同様の構図で不採択となりました。一方、公文書管理の意見書は、公明党が賛成することによって、採択となりました。下に意見書の全文を貼りつけておきますが、ご覧になっておわかりのとおり、至極当たり前の内容となっているのですが、なぜ自民党系の議員さんたちが反対したのか?よくわかりません。

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2017年6月23日 (金)

一般質問 上下水道局庁舎問題 報告その2

今回は、前回に引き続き上下水道局庁舎問題に関する私の一般質問のご報告の続き、「意思決定過程、手続きの妥当性の検証」についてです。

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質問1:本事業は、座間市で初めての官民連携事業であったが、事業を進めるにあたって、PPP事業(官民連携事業)を実施する際の手続き及び庁内体制などを定めた規程やガイドライン等は整備されていたのか?

企画財政部長:「現時点においては、PPP事業の導入、実施に関する規程や手続きは定めておりません。」

質問2:本市では2006年12月に「民間活力有効利用指針」が策定され、2015年3月に改訂されている。改訂版では「民間活力有効利用の手法」の中にPPP事業が位置付けられた。また、改訂版では、「選定にあたり」として、「担当課で民間活力の有効利用が可能と判断した事業については、財政課、企画政策課との調整後、行政改革推進委員会に諮ることとする」とあり、「民間活力有効利用予定事業採択フロー」が記されている。では、上下水道局庁舎等整備事業は、この「民間活力有効利用予定事業採択フロー」に基づいて事業採択が行われたのか?

企画財政部長:「上下水道局庁舎等整備事業は、民間活力有効利用指針に記載した民間活力有効利用予定事業選択フローに沿ったものではなく、上下水道局で検討した結果である」

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これらの質問は、今回の上下水道局庁舎整備事業が、庁内の適正な手続きに基づいて行われたものだったのかを検証するためのもの。座間市では初めてのPPP(官民連携)事業であったにもかかわらず、まず、その手続きを定めたガイドライン等が存在していないことが明らかになりました。通常、各自治体ではPPP事業に取り組む場合、全庁的なガイドライン等を整備し、その原則・手続きなどを定めていますが、こうしたものをつくらずにPPP事業に着手していたのです。

また、PPP事業のガイドラインは存在していませんが、それに似通ったものとして「座間市民間活力有効利用指針」というものがあり、その中では事業を採択する場合は、担当部局のみならず、行政改革推進委員会や政策会議など全庁的な会議体において事業採択が判断されることになっているのですが、答弁の通り、こうした手続きは踏まれていません。こうした「指針」や「ガイドライン」は「法令」ではありませんが、行政の「内部的規範」として、通常守られるべきもの。それがおざなりにされています。なぜ、そうなったのか、今回の時間の関係でこの点は再質問していませんが、大きな疑問点あり、問題点です。

つまり、今回のPPP事業は上下水道局(2016年3月までは上下水道部)の判断で事業が進められてきたわけです。その中で、特に重要な時期は、2016年2月。ずさんな「導入可能性調査」であったにもかからず、全庁的な会議に諮られず、上下水道部の判断でゴーサインとなったわけです。(正確に言えば、政策会議等全庁的な会議に諮られていませんが、上下水道部より回議書が作成され、市長決裁は行われている)

それを裏付けるのが以下の質問。

質問3:2016年2月の段階で、導入可能性調査の結果をもとに、上下水道局庁舎等整備事業をPPP・リース方式で推進するという判断をされている。この判断は、当時の上下水道部内の判断なのか?

上下水道局長:「上下水道部の判断によりリース方式で実施準備をすすめ、行政改革推進委員会や政策会議には諮っておりません。」

次に、事業者選定について、今回の事業では「入札」ではなく、「公募型プロポーザル方式」が採用されました。「公募型プロポーザル」とは、価格面だけではなく、事業を行う上で最も適切な企画提案力、技術力などを持っている提案者と契約を結ぶもので、「随意契約」の一種です。

上下水道局庁舎整備事業では、2016年8月に一度公募をしたものの応募者がなく、2016年11月に再度公募を行った結果、大和リース株式会社の1社のみが応募、提出された事業提案書を「座間市上下水道局庁舎等整備事業に係わる公募型プロポーザル選定委員会」が審査を行い、決定しています。

審査においては、事業計画、施設計画、維持管理計画、提案金額について、全体で25項目の評価基準に基づいて、各委員が5段階評価で評価点を記入する方法が取られました。(ただし、1項目だけ10段階評価) 評価基準点の満点130に対して選定委員の平均は77.8、得点率は58.81%。(100点満点にすると59点ぐらいだったということ) 選定委員8名の中で、最高の得点率は67.69%。最低は46.15%であったとのことです。

今回の場合、応募事業者が1社であったため、評価基準点による相対評価は行うことができず、絶対評価となりますが、58.81%という低い得点率であっても優先交渉権者に決定されています。これは、「最低基準点」が設定されていないために低い得点でも「審査合格」となっているのです。

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<審査評価点の集計表 「1」「2」の評価も数多くみられる>

そこで、以下のような質問をしました。

質問4:今回、最低基準点を設定しなかったのはなぜか?

上下水道局長:「事業提案書の提出を受けた時点で募集要項等の公告で示した要求水準書の内容を満たしているかを審査致した。従いまして審査委員会の審査内容は、要求水準を満たした提案者について、提案内容を審査項目ごとに数値化し、順位を決定することが目的でございます。従いまして、最低基準点の設定は必要がないものと判断した」

しかし、これも「なぜ最低基準点を設定しなかったのか?」という問いに対して、全く答えていません。

「審査」は、三段階に分かれています。まず「①資格審査」、次に「②基本条件の適合審査」、最後に「③提案内容の審査」で、①と②は担当課とアドバイザー契約を結んでいるコンサルタント会社が行い、③を審査委員会が審査するというもの。複数応募事業者がある場合には、③で提案内容を審査し、点数化し、順位を決定するというものですが、今回の場合のように1社しか応募なかった場合はどうするか、ということです。

当然ながら、①、②を通過しているわけですから、当局が示した「要求水準」は満たしていることになります。では、③を審査、点数化する意味はあるのかということになります。極端な話、今回の評価項目が25項目で5段階評価ですから、すべての項目が「1」だったとすれば、合計点は25点(得点率=19.2%)でも、「要求水準を満たしているので」ということで決定されてしまうことになります。

だからこそ、品質を確保するために「最低基準点」が、特に1社応募の場合は必要ではないかということです。確かに座間市の「プロポーザル方式の実施に関するガイドライン」では定められていませんが、担当課によっては最低基準点を定めて審査を行っていることもあります。特に、今回の上下水道局庁舎事業は億単位の事業ですから、なおさら品質確保に関しては万全を期すべきでしょう。

以上が、上下水道局庁舎問題に関する「意思決定過程、手続きの妥当性の検証」に関する私の一般質問のやり取りです。

総括すると、

①PPP事業の原則・手続き等を定めたガイドラインがないままに事業が進められた。

②すでに存在する「民間活力有効利用指針」に基づく手続きも行われていない。

③応募事業者1社のみ、審査委員会の評点も58.81%という低い得点率であるにもかからず、事業者選定が行われている。

ということになります。

次回では、今回のPPP事業から、何を教訓化すべきかということについて報告したいと思います。

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