2019年2月 1日 (金)

キャンプ座間視察

今日の朝は寒かったですね。朝、市役所6階の議員控室から見た大山などの丹沢山系も上の方は雪化粧。

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さて、今日は座間市基地返還促進等市民連絡協議会(略称:促進協、会長:遠藤三紀夫座間市長)のキャンプ座間視察でした。キャンプ座間は米陸軍の基地ですが、本日の視察先はキャンプ座間内にある陸上自衛隊座間駐屯地。

座間駐屯地は昨年3月に再編され、これまであった陸上自衛隊中央即応集団司令部が廃止となり、新たに朝霞駐屯地に陸上総隊司令部が新設され、キャンプ座間には陸上総隊日米共同部が設置されることに。一方、これまで3個中隊だった第4施設群に、新たに1個中隊が移駐してきました。今回の視察では、再編後の座間駐屯地の状況を確認することが目的です。

まず、キャンプ座間のゲートで、身分証明書を提示し、パスが渡されます。

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その後、陸上自衛隊の座間駐屯地へ向かい、装備車両等の見学。下の写真は「81式自走架柱橋」とよばれるもので、河川などに橋を架設し戦車などを通過させるためのもの。1981年から使用されているので「81式」となっているようです。1981年といえば、1979年がソ連のアフガニスタン侵攻ですから「米ソ冷戦」の真っ最中。当時の「対ソ北方重点配備」の一環として配備されたのでしょう。

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次に、旧陸自中央即応集団司令部隊舎で現在は、日米共同使用となっている建物の中でのブリーフィング。

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入口を見ると、向って右側には陸自の「第四施設群」と「陸上総隊司令部日米共同部」の看板。

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左側を見ると、「米陸軍第一軍団(前方)」と「米海兵隊連絡室」の看板。

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キャンプ座間は、米陸軍の基地ですから「米海兵隊連絡室」って何?と思いブリーフィングの際に聞いてみると、

「陸上総隊司令部の隷下部隊として、長崎県佐世保市の相浦駐屯地にある水陸機動団がある。これは島しょ部の奪還などを想定した部隊(日本版海兵隊ですね)で、カウンターパートは米海兵隊なので、その連絡要員が1名いる」

とのこと。連絡要員が1名いるだけで「米海兵隊連絡室」という看板は、あまりにも誇大表示ではないかと思いますが、なぜなんでしょうかねえ。

私の見立てとしては、陸自の主観的な「願望」が込められているように感じます。いわゆる「島しょ防衛」の危機を煽りたてる現在の政権ですが、米軍が尖閣をはじめ、それに積極的に関与するとは思えません。かつて、米ソ冷戦時は「北方重点配備」で予算と人員を確保していた陸自の生き残りとしては、「島しょ防衛」は、かっこうの材料。だからこそ、たった1名しかいないにもかかわらず「米海兵隊連絡室」という看板をかかげ、「米軍との連携」を演出したいのではないでしょうか。

昨年明らかとなった米軍相模補給廠への第38防空砲兵旅団司令部の設置、これももそう。「米陸軍と陸自との共同の取り組みを緊密にするため」とされていますが、米軍ではPAC3を陸軍が運用するのに対し、日本では航空自衛隊が運用しています。当然ながら、米陸軍のカウンターパートは陸上自衛隊であり、航空自衛隊のカウンターパートは米空軍のはずであり、米陸軍と航空自衛隊による「共同の取り組み」は想定されていません。PAC3の実践的運用にあたって、どのようにして「自衛隊との共同の取り組み」をするのか、はなはだ疑問に残るところです。

朝鮮半島情勢が大きく変化し、北東アジアの非核、平和の可能性が増している時に、緊張を煽り、「組織の人員と予算を確保するため」などというちっぽけな理由で、基地強化されるとしたら、残念なことだと思います。

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2018年4月15日 (日)

シリア攻撃の国際法上の根拠はない

安倍晋三首相は14日、米英仏軍によるシリア攻撃を受け、「化学兵器の使用は非人道的で断じて許せない。拡散と使用を許さないとの米英仏の決意を支持する」と表明しました。一方で、軍事行動については「これ以上の事態の悪化を防ぐための措置と理解している」と語り、「支持」ではなく「理解」という表現をとっています。要は、「目的」は「支持」するけど、「手段」は国際法上の根拠がないので「理解」にとどめるというもの。

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国連憲章第2条(原則)4項では、

「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」

とし、第51条(自衛権)では

「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国が措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。 」

とありますが、米英仏はシリアのアサド政権から攻撃されているわけではなく、その脅威にさらされているわけでもありませんから、「自衛権」の行使には当たりません。

もちろん、化学兵器の使用が事実ならば、化学兵器禁止条約違反であり、国際人道法違反であることは当たり前のことですが、では、そのための調査・検証が行われたのかということです。

国連憲章第7章「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」では、第39条で「安全保障理事会の一般的権能」、第40条で「暫定措置」、第41条で「非軍事的措置」、第42条で「軍事的措置」が規定されていますが、私の知り得る限り、これらの手順は取られていません。

よって、米英仏によるシリア攻撃は、2条4項の原則に照らしても、第39条から第42条に至る手順を経ることなく、さらに51条の自衛権にも当たらず、明確に国際法上、違法です。

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2017年7月 2日 (日)

基地のたらい回しを「公約実現!!」と胸を張るのは理解できない

今日、私の家のポストに入っていたチラシ。

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基地と爆音のたらい回しを「公約実現!!」と胸を張るその神経が、私には理解できません。

厚木基地の爆音の原因は、横須賀を母港とする米海軍空母の艦載機の飛来と訓練にあることは自明のことです。では、この艦載機が岩国基地(山口県)に移駐することを手放しで喜んで良いものなのでしょうか。

かつて、キャンプ座間への米・日新司令部の移転に座間市が反対していた頃、当時の星野市長は、

「私自身正直なお話をして今回、厚木基地から岩国へ艦載機が移転していく。非常に複雑な思いであります。岩国の、また近隣の市民、町民の方の立場に立つと本当に何とも言えない心境にあります。もちろんもろ手を挙げて喜べる、そんな状況ではありません。やはり国として岩国の方々の立場に立てば、NLPの訓練が岩国にいくこと自体いかがなものかとこう思っています。やはりしっかりとした、もし必要とすればかねがねお話をしてますように、岩国ということではなくて、抜本的な苦渋をだれにも強いられない、そういう方策を国としてしっかりと持って、やはり移転を考えるべき、それがやはり国の責任だろうとこう思っております。 」(2006年座間市議会第二回定例会 6月8日)

と発言をされておられます。当時、岩国市長は井原克介さん。星野前市長としては同じように米軍再編で基地強化が図られようとしている岩国市を慮り、「手を挙げて喜べる、そんな状況ではない」と感想を述べ、「だれも苦渋を強いられない」抜本的な解決を国に求めていました。

井原さんにしても、星野さんにしても、地方自治体の首長の権限の限界を知りつつも、住民の声に寄り添い、国に基地問題の抜本的な対策を求める姿は、首長として極めて原則的な姿勢です。

一方で甘利氏は、国会議員、しかも当時から政府の閣僚を務められていたわけですから、この「抜本的な対策」にコミットできるポジションにいた人でしょう。その方が、基地のたらい回しを「公約実現!!」と胸を張り、それをここぞとばかりに喧伝するその振る舞いは、私からすれば「浅はか」としか言いようがありません。

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2017年3月29日 (水)

どこかで見た顔だと思ったら

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http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM28H0X_Y7A320C1MM0000/?n_cid=NMAIL001

あれ、どこかで見た顔、名前と思ったら、この方が日本の国連軍縮大使だったとは。

バリバリの元防衛官僚。

なぜ知っているかと言えば、この方は2005年~2007年まで防衛施設庁横浜防衛施設局長。(現防衛省南関東防衛局) 当時、「米軍再編」によりキャンプ座間に米陸軍第一軍団司令部と陸自中央即応集団司令部が移転してくるということで、座間市が街をあげて反対運動を行っていましたが、よく座間にも「説得」でお出ででしたし、市議会の基地対策特別委員会で要望活動に赴いた時に対応された方だったからです。

東大法学部卒の超エリートで、防衛政策課長や防衛庁長官官房審議官を歴任した人が(当時は防衛庁でしたが)、なぜ外局である横防に赴任してきたのか不思議でしたが、米軍再編=「日米の軍事的一体化」にかける意気込みを感じさせる人事でした。

その後も防衛省運用企画局長、防衛政策局長を歴任し、将来の事務次官候補とされた人。ミサイル防衛や朝鮮有事の際の日米の軍事的一体化を推進してきた人物が「軍縮大使」では、核禁止条約への不参加は当然の帰結だと言えるでしょう。

 

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2016年12月14日 (水)

オスプレイ墜落

オスプレイに関するわが市の市長の見解は

「(厚木基地への飛来について)安全性を担保していただくのは当たり前だが、運用が絶対あってはならないとまで言及するつもりはない」(2014年座間市議会第一回定例会)

「一部で伝えられているような危険性につきましては、特に感じておりません」(2014年座間市議会第3回定例会)

「オスプレイの持つ機動力、輸送力は、画期的かつ革新的な機能を有し、戦術的、戦略的にも価値のある、世界で唯一と言っていいほどの卓越性に富んだ航空機であることは間違いがない。その能力は、安全保障上、とりわけ近年緊迫状況にある南西諸島における諸問題について、抑止力に当然なり得るものであると考えられる」(2014年座間市議会第3回定例会)

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要は、「安全に気をつけてもらいたいが、飛行するなとは言わない。軍事上の価値が高いものだから」というもの。

米海軍厚木基地が近くにあり、米陸軍キャンプ座間が所在する自治体の首長として、今回の墜落事故を受けてもこの考えは変わらないのだろうか。厚木基地の周辺人口は200万人を超える住宅密集地域。もし、墜落事故を起こした場合、とんでもないことになるのは容易に想像はつくはず。

琉球新報「オスプレイ墜落 名護東沿岸、夜間訓練中 乗員5人、2人けが」
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-411412.html

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2015年9月 4日 (金)

「座間が適当」 河野統幕長のアメリカでの発言

みなさんご承知のとおり、9月2日、参議院の特別委員会で質疑した共産党の仁比議員は、防衛省の内部資料を暴露しました。

資料全文は、こちらから
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/261545

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ざっと、全体を読んでみましたが、この中になんと、キャンプ座間に関することが出てきます。具体的にはオディエルノ米陸軍参謀総長と河野統幕長との会談部分。

河野統幕長:陸上自衛隊においては陸上総隊の設立や水陸両用部隊の設立等、大きな改編の時期を迎えている。横須賀における米海軍、海上自衛隊の関係、横田における航空自衛隊と米空軍の関係がよい具体例であると認識しており、陸軍種間では座間が適当であると考えている。

オディエルノ参謀長:私も座間における連携が重要と考えており、ご支援いただいて感謝する。

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現在、キャンプ座間には米陸軍第一軍団前方司令部と陸自中央即応集団司令部(CRF)が同居していますが、河野幕僚長が言及している陸自の統合司令部=陸上総隊司令部は、朝霞に設置され、キャンプ座間のCRFは廃止されることが決まっています。

しかし、この会談での河野幕僚長の発言からすると、キャンプ座間からCRFがいなくなっても、座間を「日米の連携拠点」(実際には米軍の下請け拠点)として残すことを示しているようです。

この他にも、TV報道などでは報じられていない驚くべき発言が目白押しです。

一つは、ダンフォード海兵隊司令官との会談。以下のようなものがあります。

河野統幕長:沖縄知事選時にはリバティポリシーの実施、地域情勢に配慮していただき感謝する。結果として普天間移設反対派の知事が就任したが、辺野古への移設問題は政治レベルの議論であるので方針の変更はないとの認識である。安倍政権は強力に推進するであろう。

「リバティポリシー」とは、在日米軍勤務時間外行動の指針で、米兵のの夜間外出・飲酒規制のことをですが、これは明らかに「普天間移設賛成派」の知事候補の立場にたった発言。統幕議長は、国家公務員でしょ。国家公務員法第102条では、「人事院規則で定める政治的行為をしてはならない」とあり、人事院規則には政治的行為を17項目にわたって限定列挙しており、その第一には「政治的目的のために職名、職権又はその公私の影響力を利用すること」があります。公務員の職権のもと、政治・選挙への介入を事実上認めているようなものではないでしょうか。

もう一つは、ワーク国防副長官との会談

河野統幕長:今回F-35のリージョナルデポが日本に決まり、貴官をはじめとする関係者に感謝する(中略)オスプレイのリージョナルデポについても日本においていただけると更なる運用性の向上となる。

リージョナルデポとは「地域の整備工場」のこと。オスプレイの配備だけではなく、「整備拠点も日本においてくれ」と懇願しているわけです。このことは、「国権の最高機関」である国会でも議論されているのでしょうかねえ? 確かに、旧軍の「独断専行」を彷彿させるものがあります。

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2015年6月13日 (土)

炭疽菌 誤送付 キャンプ座間にも

炭疽菌:日本にも 米軍送付、05年キャンプ座間に
(毎日新聞 2015年06月13日 東京夕刊)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150613dde018030019000c.html

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このニュース、実は今日知ったのですが、びっくりです。

訓練に使用したとのことですが、「あれがそうか!」と思い出したのが、私の2008年12月1日付けのブログ

「キャンプ座間で、化学・生物・放射能・核・爆発物訓練」
http://okinaga.way-nifty.com/weblog/2008/12/index.html

この中でリンクしている在日米陸軍機関紙「トリイ」の記事は、すでに削除されていますが、確か防護服を着込んだ米軍人達が訓練をしている生々しい写真付きでした。

米国防省の発表では、

「菌が生きていたかは標本が既に破棄されているため判断できないという。」

ということですが、いったいどこでどのようにして「廃棄」したのでしょうかねえ。当時の訓練には、座間市の職員も参加していたようですが、市としても米側にしっかりと照会をする必要があるでしょう。

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2015年6月11日 (木)

「存立危機事態」って何?

「戦争法案」=いわゆる安保法制をめぐっては、先日の衆院憲法審査会では与党(自民・公明)推薦の方を含む全ての参考人の方が、「違憲である」と指摘するという事態になっていますが、この間の国会論戦を聞いていて、どうしてもわからないことがあります。

それは、今回の法案審議の要となる問題だと思いますが、武力行使の「新3要件」。

もう何回も報道されていますが、改めて見て見ると、これまでの「自衛権発動の3要件」は、

1.我が国に対する急迫不正の侵害があること。
2.これを排除するために他の適当な手段がないこと。
3.必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。

これが、「新3要件」では、

1.我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること。
2.これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他の適当な手段がないこと。
3.必要最低限度の実力行使にとどまるべきこと。

基本的には、2と3は変わっていません。大きく変わっているのは、太字の部分。

これが「存立危機事態」とのことだそうです。

では、これがどういう「事態」なのかが、安倍首相始め政府の答弁を聞いていても、よくわかりません。よく聞かれるフレーズは、「新3要件を満たせばできます」「総合的に判断します」という答弁。

「総合的に判断する」というフレーズは市議会の中でもよく使われることがありますが、たいがいは明確な根拠や基準を示すことが出来ない場合に使用される「魔法のことば」ですね。つまり、「判断」する政府に、「便利な裁量権」を与えるものです。

ところで、「存立危機事態」とは国の「存立」が脅かされる明白な危険ということですから、そうとうなものですよね。

安倍首相が具体的に例示しているのは、確か「ホルムズ海峡の機雷除去」と、昨年閣議決定の時の記者会見で有名となった「日本人が保護された米軍艦船に攻撃がかけられた場合」です。(邦人を保護する米軍艦船があり得るのかどうかということはありますが)

「ホルムズ海峡の機雷封鎖」が国の「存立」の危機となり得るのか、という議論は、

http://mainichi.jp/select/news/20150529k0000m010123000c.html

要は「資源の確保のために武力行使する」ということ。これは国連憲章上の「自衛権の行使」ともなりませんから、国際法上違法ということになります。

また、「邦人を保護する米軍艦船への攻撃」については、これが国の「存立の危機」となるのでしょうか。どう考えてもなるとは思えません。

私なりに先入観をぬきに上記の新3要件をみると、「存立の危機」ですから、それは我が国が大規模な「軍事攻撃」をうけたり、「軍事占領」されたりする「明白な危険」がある事態ということではないでしょうか。

では、日本が直接攻撃を受けていないけれども、「他国に対する武力攻撃」で国の存立が脅かされるのような危機的状況になる事態とは、一体どういうことなんだろう? ということです。

この点を、政府は明確に説明せず、「総合的判断」という形で、曖昧にしていますし、もっと言えば、あえて曖昧にしているように思われます。

それは、多くの憲法学者が指摘するように、これまでの歴代政府の「憲法解釈」の一線を越えているにもかかわらず、これまでと「変わらない」と強弁する手法によるものだと思いますし、安倍首相からすれば、何がなんでも、どんな姿でも良いから、「集団的自衛権行使」という危険なカードを自らの手にしたい、ということからだと思います。

また、その結果、法技術上は、極めて整合性がとれなくなってしまいます。例えば、自衛隊法第76条は、どのような場合に防衛出動ができるのかということを定めたものですが、これを武力行使の要件と合わせてみると、現行法では、

武力攻撃事態(武力攻撃に着手又は武力攻撃が発生した場合)は、防衛出動が命じられ、自衛の措置(武力行使)ができるというもの。

武力攻撃切迫事態(武力攻撃を準備している場合)は、防衛出動が命じられるが、自衛の措置(武力行使)はできないことになっている。

ところが、今回の新要件で追加された「我が国と密接な他国に対する武力攻撃が発生した」場合は、わが国に対する「武力攻撃事態」ではなく、「危険性」と言っていますから、どちらか言えば「武力攻撃切迫事態」に近い概念だと思われます。

ということは、これまで「切迫事態」では、防衛出動はできるものの武力行使はできなかったものが、「危険性」だけで武力行使をできることとなりますから、「自分のところへの攻撃は発生しないとできないのに、他国への攻撃は危険性だけでできる」こととなり、整合性が全くとれなくなってしまいます。

要は、多くの人々が指摘するように憲法9条の「拡大解釈」を限界を超えて、引っ張るだけ引っ張っているので、何がなんだかわからなくなってしまっています。

まあ、とにかく戦争法案=安保法制は撤回。そのことに尽きます。

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この見解は論外ですけどね。

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2015年5月27日 (水)

「霞が関文学」のなれの果て

集団的自衛権行使などを法制化する戦争法案に対し、「全く根拠のないレッテル貼りだ。恥ずかしいと思う」とおっしゃった安倍首相。

思わず笑ってしまいました。だって、この戦争法案に対抗して(?)政府がつけたネーミングは、「平和安全法制」。これこそ、全く根拠のないレッテル貼り。恥ずかしいと思います。

「戦争」を「平和」と読み替える「創造的な」霞が関文学は、この程度では序の口のようです。ぜひ、こちらをご覧いただきたいと思いますが、元霞が関官僚で現在は民主党参議院議員の小西洋之さんの見解。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/246547

安倍政権が昨年7月1日に行った集団的自衛権行使を容認する閣議決定の際に、憲法を改正することなしになぜできるのか、という「根拠」となった「1972年政府見解」の「読み方」。

以下、IWJ記事からの引用。

閣議決定は、「必要最小限度の『武力の行使』は許容される。これが、憲法第9条の下で例外的に許容される『武力の行使』について、従来から政府が一貫して表明してきた見解の根幹、いわば基本的な論理であり、昭和47年10月14日に参議院決算委員会に対し政府から提出された資料『集団的自衛権と憲法との関係』に明確に示されている」と主張した。

政府の昭和47年見解「集団的自衛権と憲法との関係」は、憲法第9条で「わが国がみずからの存立を全うし国民が平和のうちに生存することまでも放棄していないことは明らか」とし、「自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとはとうてい解されない」と個別的自衛権を認めた。

さらに「外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るための止むを得ない措置としてはじめて容認されるものである」と定義。そのうえで「集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない」と結んだ。

しかし安倍政権は、この「外国の武力攻撃」が「誰に対して行われるか」が明記されていないと主張し、「同盟国への外国の武力攻撃」も自衛権発動の対象になるとの見解を強引に導き出し、「集団的自衛権は行使できる」との閣議決定に至った。(下線は私)

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要は、「外国の武力攻撃」が誰に対して行われるかという目的語が書いていないことを持ってして、目的語に「アメリカに対する」とか「同盟国」に対する「外国の武力攻撃」も「含まれる」という「解釈」。「だって、誰に対するって、書いてないもん」という屁理屈です。

こんなバカげた「解釈」を平気で押し通すところまで、「霞が関文学」は堕落しているようです。

(私からすると、「外国から日本へのの武力攻撃があった場合の自衛の措置は、憲法が禁止じているとはとうてい解されない」という1972年政府見解も、けっこうな「霞が関文学」だと思いますけどね。中学生ぐらいの時からそう思っていました。)

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2015年5月19日 (火)

陸自 新設される陸上総隊司令部は朝霞駐屯地へ

5月15日、防衛省南関東防衛局より座間市に対し、「陸上総隊司令部の朝霞駐屯地への新編について」情報提供があったとのことで、各議員に対してお知らせがありました。

内容は以下のとおり。

防衛省において、「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱について(平成25年12月17日国家安全保障会議及び閣議決定)」・「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」に基づき、中期防衛力整備計画期間中に陸上自衛隊に陸上総隊を新編することとしていますが、今般、同司令部の配置先について、様々な観点から検討した結果、陸上自衛隊朝霞駐屯地が、

□総理大臣官邸や防衛省本省など政経中まで約20kmと近く、東部方面総監部との連携も容易
□駐屯地内の用地確保が容易
□防衛省独自の既存の通信インフラの確保が可能

であり、政経中枢との一体性を維持しながら全国の陸自部隊を指揮統制する上で最適な候補地であるとの結論を得たため、平成27年度より同駐屯地内に司令部庁舎等を整備するための具体的な検討を開始し、平成29年度を目途に陸上自衛隊司令部を新編することとしています。

まず、陸上総隊司令部とは何か?ということですが、「中期防衛力整備計画」では、

「陸上自衛隊については、我が国を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえ、統合運用の下、作戦基本部隊(機動師団・機動旅団及び師団・旅団)や各種部隊等の迅速・柔軟な全国的運用を可能とするため、各方面隊総監部の指揮・管理機能を効率化・合理化するとともに、一部の方面総監部の機能を見直し、陸上総隊を新編する。その際、中央即応集団を廃止し、その隷下部隊を陸上総隊に編入する」

要は、これまで陸自は統合幕僚長が全国5方面隊の方面総監にそれぞれ命令を出していたやり方を改め、陸上総隊に指揮・命令を一本化するということ。すでに海自は自衛艦隊司令部、空自は航空総隊司令部があり、いわば陸自にとっては「悲願」の統合司令部。

このことが座間市とどう関係しているのかという点ですが、それは、今回、新設される陸上総隊司令部の候補地としては、米軍・キャンプ座間内も検討されていたからです。現在キャンプ座間内には、陸自中央集団司令部があります。同司令部は、2006年の米軍再編に伴って新設された司令部で、2007年に朝霞駐屯地で発足、2013年にキャンプ座間に移転してきたもので、機動運用部隊(第1空挺団・第1ヘリコプター団)や専門部隊(特殊作戦群・中央特殊武器防護隊など)を一元的に管理・運用する目的と、国際平和協力活動に関する研究及び教育訓練(国際活動教育隊・国際平和協力活動等派遣部隊)および指揮を行う為のものです。

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【米軍基地キャンプ座間内の陸自中央即応集団司令部】

ところがこの中央即応集団司令部は、今回の中期防衛力整備計画(2013年)で、発足からわずか5年しかたっておらず、キャンプ座間に移転したきたばかりにもかかわらず廃止が決定されたということです。

この座間移転にあたって、当時の座間市は米陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間移転とともに反対の意志表示を行い、議会も何回も反対決議をあげていました。また、移転にあたっては(建設費の総額は忘れましたが)何十億もの税金を使って、新しい司令部隊舎を建設し、さらに米軍基地用地の部分的返還地に、新しい自衛隊宿舎を建設中です。

それが、また、朝霞に新しい陸上総隊司令部隊舎を建設するとのことですから、一体何をやっているのか、言わざるを得ません。中期防では、「指揮・管理機能を効率化・合理化する」とありますが、朝令暮改もはなはなだしいものです。

おそらく、防衛省はキャンプ座間内の中央即応集団司令部が廃止され、陸上総隊司令部が朝霞に新設されても、現在の司令部隊舎や建設中の自衛隊宿舎を使い続ける可能性は大。結果として、目的はコロコロ変わりますが、組織とインフラは肥大化するという構図です。

その辺の事情は、以下の記事を。
http://toyokeizai.net/articles/-/69964

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