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2017年6月29日 (木)

公文書管理の徹底を求める意見書 採択される

6月26日閉会した座間市議会第2回定例会、私は最終日の本会議に以下の意見書案を提出。採決結果は以下のとおりでした。

共謀罪の創設を含む改正組織犯罪処罰法の廃止を求める意見書の提出について

不採択
賛成:8人(会派に属さない議員3人、共産党3人、大志会2人)
反対:13人(自民党・いさま7人、公明党4人、明進会2人)

公文書の安易な廃棄を防止し電子情報を含めた公文書管理の徹底を求める意見書の提出について

採択
賛成:12人(会派に属さない議員3人、公明党4人、共産党3人、大志会2人)
反対:9人(自民党・いさま7人、明進会2人)

なお、その他の意見書案を含めた採決結果は以下のとおりです。

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共謀罪の廃止意見書については残念ですが、国会の賛否とほぼ同様の構図で不採択となりました。一方、公文書管理の意見書は、公明党が賛成することによって、採択となりました。下に意見書の全文を貼りつけておきますが、ご覧になっておわかりのとおり、至極当たり前の内容となっているのですが、なぜ自民党系の議員さんたちが反対したのか?よくわかりません。

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2017年6月28日 (水)

まるでクーデターのような手法で、基地に関する覚書を改悪

まるでクーデターのような手法で、基地の整理・縮小・返還、基地の恒久化反対という座間市の「市是」を覆すような1971年覚書の改悪が進められています。

新聞記事風にご報告しますと、

6月26日座間市基地返還促進等市民連絡協議会の役員会が開催され、座間市と防衛省南関東防衛局との間で締結されている1971年覚書の見直し案の内容が明らかになった。見直し案では、これまで米軍基地キャンプ座間内の座間市行政区域内に駐屯する自衛隊について、場所と人数(300人)と制限していた第1条の内容を削除した。あらたな第1条では「南関東防衛局はキャンプ座間の整理、縮小、返還及び負担軽減策の推進について最大限努力する」とあるものの、第2条には、座間市と自衛隊、在日米軍との協力、交流などが盛り込まれ、これまでの座間市の基地対策から大きく転換するものとの声があがっている。

この見直し案は、6月21日に開催された座間市と防衛省との定期的な協議機関である「キャンプ座間に関する協議会」幹事会において了承され、6月28日に開催され、市長及び南関東防衛局長らが参加する代表幹事会で決定されれば、新たな覚書が締結されることになる。

役員会では、幹事会の報告として見直し案が報告され、代表幹事会での決定後の7月10日に臨時総会を開催するという提案が行われたが、役員から「代表幹事会での決定後に臨時総会を開くのはおかしい」「早急に総会を開催し、意見を聴いたうえで代表幹事会に臨むべき」という意見も出され、また、沖永議員(会派に属さない議員)から市側の見直し案に対する対案も提出されたが、小俣副市長は、「促進協は見直しの中身を議論する場ではない」「議会の決議もあがっており、覚書の見直しを進めるのは行政の執行責任」であるとして、見直し案について意見を聴取することの必要性を否定した。

また、役員会では臨時総会を代表幹事会前の6月27日に開催し、広く意見を聴くべきという動議が提出されたが、賛成少数で否決。覚書の見直しについて、市民代表、団体代表や議員からの意見を聴く必要はないという市長及び副市長の姿勢が浮き彫りになった。

役員からは「議会で毎年行っている要望項目も含まれており、大変ありがたい」という与党議員の発言の他、「我々の意見を出せる場がないのはおかしいではないか」(共産党:中沢議員)「覚書の見直しには賛成したが、中身は議論されていない。最低限意見聴取すべき」(明進会:佐藤議員)と、強引な手法で、覚書の見直しを進めようとする市側への批判の声があがっている。

こんな感じでしょうか。

「行政のやることに口を出すな」と言わんばかりの、まあ、なんとも強硬な姿勢です。

しかも姑息。というのは、促進協の役員会の通知が届いたのは、6月22日。この通知に同封されていた資料によって初めて、6月21日にキャンプ座間に関する協議会幹事会(市側は副市長、副議長等)が開催され、覚書の見直し案まで了承されていたことがわかったのです。ところが、幹事会が開催されていた6月21日のわずか7日前に開かれた企画総務常任委員会では、今後の覚書見直しのスケジュールに関して「事務レベルのやりとりは行っているが、キャンプ座間に関する協議会の日程等はまだ決まっていない」と言っていたのです。まさか、このわずか1週間の間に、「6月21日幹事会 6月28日代表幹事会」というスケジューリングを行ったとでも言うのでしょうか。

こうした重要な問題に関する国との協議をわずか1週間で決めるとは、通常なら考えられません。秘密裡に準備を進め、意見などは極力出させないように、総会を決定後に開催するなどというのは、まるでクーデーターのような手法と言わざるを得ません。

なぜ、ここまで拙速にものごとを進めるのでしょう。思い出されるのは、米軍再編によるキャンプ座間への米・日司令部移転に座間市が反対をしていた2008年7月。当時、座間市は防衛省に対し「基地恒久化解消策」を求めていましたが、7月28日防衛省から、今回の移転が基地強化となったことを認め、今後座間市と防衛省との恒常的な協議機関である「キャンプ座間に関する協議会」を設置し、基地の整理、縮小、返還に取り組んでいくという回答がされました。

当時の星野市長は、防衛省からの回答があったその日のうちに、「基地強化に反対する座間市連絡協議会」(市、市議会、自治会で構成)の役員会と総会を開催し、白熱した議論が交わされたのちに、防衛省との確認書を締結しています。この時私は、総会で決定された「基地強化に反対する座間市連絡協議会」の解散等について、このやり方は実質的に司令部移転の旗を降ろすものであり認められないと当時の星野市長のやり方を厳しく批判しました。しかし、あの星野前市長でさえ、司令部移転問題に関する市の意思決定については「十分に協議会の意見を聴いた上で判断したい」とおっしゃっておられましたし、その言葉どおり、その日のうちとは言え、役員会、総会をいう手順を踏んで防衛省との確認書の締結に臨んでいます。

こうしたやり方について、役員会で議長である市長は一切発言することなく、副市長がすべて「答弁」。曰く、「防衛省との覚書の締結は市長の執行権によるもの。促進協には報告はするが意見を求める必要はない」という趣旨の発言を繰り返していました。

確かに、覚書は行政協定ですから、市長の執行権の範囲でしょう。しかし、その執行権をどのように行使するのか、というところに首長の姿勢が如実に示されてくるわけです。ですから、「ふつう」の市長だったら、議会や市民団体、市民の声に耳を傾け、丁寧に説明をしながら、その執行権を行使するのでしょう。(副市長は「議会は見直し決議をおこなったので」と言っていますが、見直し決議には具体的な条文の改正内容はありません)

2期連続無投票当選により3期目となった遠藤市政、どうも「ふつう」の市長とは違ってきたようです。昨年9月の市長、市議会議員改選以降、つくづく感じるのは、「おい、おい、市長も議会も(この場合は「与党会派」ということです)、なんだかおかしいそ」、ということです。

なお、以下参考までに、市当局の覚書見直し(案)と私の対案及び解説を載せておきます。(PCモードの方は画像をクリックすると拡大されます。スマホモードの方はFacebookページ「おきなが明久を応援する会」に貼りつけておきますのでそちらでご覧ください)

<市側見直し案>(下線は私が記入)
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<対案(沖永)>
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覚書(対案)・逐条解説
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2017年6月25日 (日)

麦っ子畑保育園の新園舎披露&40周年記念パーティー

今日は、市内にある「麦っ子畑保育園」の「新園舎披露&40周年記念パーティー」へ伺いました。

麦っ子畑保育園は、これまで無認可の保育園として保育や学童に取り組んできました。(ふつうだったらはここで、「ユニークな保育」とか「特徴的な保育」なんて言葉で表現するのでしょうが、何がふつうで、何がユニークなのか問い直す必要があると思いますので、私は使いません)

その麦っ子が、7月から認可保育園としてスタート。それに向けて新園舎が竣工したことによる今日のパーティー。これまで何回か、こうした保育園の園舎竣工式などに参加したことはありますが、まあ、ユニークな(あっ、言っちゃった)催しでしたね。

記念式典の後は、「水を守りに、森へ」と題した作家であり、サントリー環境部シニアスペシャリストの山田健氏の講演会。午後からは、「麦フェス」と称したバンドや演奏家、ダンスの披露。さらに、有機野菜などを使った料理などの出店も多数と、ほどよい「お祭り気分」の記念パーティーでした。

私は、途中、急用で一時退席したり、戻ってきてからも所用で昼過ぎには残念ながら退出。このブログでも何回も取り上げましたが、座間市と防衛省との1971年覚書(基地の縮小、自衛隊駐屯人員の制限等)を改悪しようとする会議が明日開かれるので、その準備というか、いろんな方々からご意見を伺う活動があり、最後までいられなかったのは残念でした。

新園舎の全景は、こんな感じ。木をふんだんに使ったなかなかいい感じです。

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記念式典でのこどもたち

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式典の最後は、後で聞いてわかったのですが、「フラッシュ・モブ」だったようです。

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一階のフロア部分

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しゃれた手洗い場

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今回の麦っ子認可化は、子ども子育て支援法の施行により、これまで無認可であっても市や県から補助金でなんとかやってきたものの、それが廃止の方向となり、自力で無認可として運営していくのか、認可を取得するのかという決断に迫られたものと思われます。

様々な規制など認可化することで失うものもあるかもしれませんが、あくまでも麦っ子らしく、今後も進んでいくと思いますし、そうあってほしいと思います。

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2017年6月23日 (金)

一般質問 上下水道局庁舎問題 報告その2

今回は、前回に引き続き上下水道局庁舎問題に関する私の一般質問のご報告の続き、「意思決定過程、手続きの妥当性の検証」についてです。

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質問1:本事業は、座間市で初めての官民連携事業であったが、事業を進めるにあたって、PPP事業(官民連携事業)を実施する際の手続き及び庁内体制などを定めた規程やガイドライン等は整備されていたのか?

企画財政部長:「現時点においては、PPP事業の導入、実施に関する規程や手続きは定めておりません。」

質問2:本市では2006年12月に「民間活力有効利用指針」が策定され、2015年3月に改訂されている。改訂版では「民間活力有効利用の手法」の中にPPP事業が位置付けられた。また、改訂版では、「選定にあたり」として、「担当課で民間活力の有効利用が可能と判断した事業については、財政課、企画政策課との調整後、行政改革推進委員会に諮ることとする」とあり、「民間活力有効利用予定事業採択フロー」が記されている。では、上下水道局庁舎等整備事業は、この「民間活力有効利用予定事業採択フロー」に基づいて事業採択が行われたのか?

企画財政部長:「上下水道局庁舎等整備事業は、民間活力有効利用指針に記載した民間活力有効利用予定事業選択フローに沿ったものではなく、上下水道局で検討した結果である」

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これらの質問は、今回の上下水道局庁舎整備事業が、庁内の適正な手続きに基づいて行われたものだったのかを検証するためのもの。座間市では初めてのPPP(官民連携)事業であったにもかかわらず、まず、その手続きを定めたガイドライン等が存在していないことが明らかになりました。通常、各自治体ではPPP事業に取り組む場合、全庁的なガイドライン等を整備し、その原則・手続きなどを定めていますが、こうしたものをつくらずにPPP事業に着手していたのです。

また、PPP事業のガイドラインは存在していませんが、それに似通ったものとして「座間市民間活力有効利用指針」というものがあり、その中では事業を採択する場合は、担当部局のみならず、行政改革推進委員会や政策会議など全庁的な会議体において事業採択が判断されることになっているのですが、答弁の通り、こうした手続きは踏まれていません。こうした「指針」や「ガイドライン」は「法令」ではありませんが、行政の「内部的規範」として、通常守られるべきもの。それがおざなりにされています。なぜ、そうなったのか、今回の時間の関係でこの点は再質問していませんが、大きな疑問点あり、問題点です。

つまり、今回のPPP事業は上下水道局(2016年3月までは上下水道部)の判断で事業が進められてきたわけです。その中で、特に重要な時期は、2016年2月。ずさんな「導入可能性調査」であったにもかからず、全庁的な会議に諮られず、上下水道部の判断でゴーサインとなったわけです。(正確に言えば、政策会議等全庁的な会議に諮られていませんが、上下水道部より回議書が作成され、市長決裁は行われている)

それを裏付けるのが以下の質問。

質問3:2016年2月の段階で、導入可能性調査の結果をもとに、上下水道局庁舎等整備事業をPPP・リース方式で推進するという判断をされている。この判断は、当時の上下水道部内の判断なのか?

上下水道局長:「上下水道部の判断によりリース方式で実施準備をすすめ、行政改革推進委員会や政策会議には諮っておりません。」

次に、事業者選定について、今回の事業では「入札」ではなく、「公募型プロポーザル方式」が採用されました。「公募型プロポーザル」とは、価格面だけではなく、事業を行う上で最も適切な企画提案力、技術力などを持っている提案者と契約を結ぶもので、「随意契約」の一種です。

上下水道局庁舎整備事業では、2016年8月に一度公募をしたものの応募者がなく、2016年11月に再度公募を行った結果、大和リース株式会社の1社のみが応募、提出された事業提案書を「座間市上下水道局庁舎等整備事業に係わる公募型プロポーザル選定委員会」が審査を行い、決定しています。

審査においては、事業計画、施設計画、維持管理計画、提案金額について、全体で25項目の評価基準に基づいて、各委員が5段階評価で評価点を記入する方法が取られました。(ただし、1項目だけ10段階評価) 評価基準点の満点130に対して選定委員の平均は77.8、得点率は58.81%。(100点満点にすると59点ぐらいだったということ) 選定委員8名の中で、最高の得点率は67.69%。最低は46.15%であったとのことです。

今回の場合、応募事業者が1社であったため、評価基準点による相対評価は行うことができず、絶対評価となりますが、58.81%という低い得点率であっても優先交渉権者に決定されています。これは、「最低基準点」が設定されていないために低い得点でも「審査合格」となっているのです。

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<審査評価点の集計表 「1」「2」の評価も数多くみられる>

そこで、以下のような質問をしました。

質問4:今回、最低基準点を設定しなかったのはなぜか?

上下水道局長:「事業提案書の提出を受けた時点で募集要項等の公告で示した要求水準書の内容を満たしているかを審査致した。従いまして審査委員会の審査内容は、要求水準を満たした提案者について、提案内容を審査項目ごとに数値化し、順位を決定することが目的でございます。従いまして、最低基準点の設定は必要がないものと判断した」

しかし、これも「なぜ最低基準点を設定しなかったのか?」という問いに対して、全く答えていません。

「審査」は、三段階に分かれています。まず「①資格審査」、次に「②基本条件の適合審査」、最後に「③提案内容の審査」で、①と②は担当課とアドバイザー契約を結んでいるコンサルタント会社が行い、③を審査委員会が審査するというもの。複数応募事業者がある場合には、③で提案内容を審査し、点数化し、順位を決定するというものですが、今回の場合のように1社しか応募なかった場合はどうするか、ということです。

当然ながら、①、②を通過しているわけですから、当局が示した「要求水準」は満たしていることになります。では、③を審査、点数化する意味はあるのかということになります。極端な話、今回の評価項目が25項目で5段階評価ですから、すべての項目が「1」だったとすれば、合計点は25点(得点率=19.2%)でも、「要求水準を満たしているので」ということで決定されてしまうことになります。

だからこそ、品質を確保するために「最低基準点」が、特に1社応募の場合は必要ではないかということです。確かに座間市の「プロポーザル方式の実施に関するガイドライン」では定められていませんが、担当課によっては最低基準点を定めて審査を行っていることもあります。特に、今回の上下水道局庁舎事業は億単位の事業ですから、なおさら品質確保に関しては万全を期すべきでしょう。

以上が、上下水道局庁舎問題に関する「意思決定過程、手続きの妥当性の検証」に関する私の一般質問のやり取りです。

総括すると、

①PPP事業の原則・手続き等を定めたガイドラインがないままに事業が進められた。

②すでに存在する「民間活力有効利用指針」に基づく手続きも行われていない。

③応募事業者1社のみ、審査委員会の評点も58.81%という低い得点率であるにもかからず、事業者選定が行われている。

ということになります。

次回では、今回のPPP事業から、何を教訓化すべきかということについて報告したいと思います。

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2017年6月19日 (月)

一般質問 上下水道局庁舎問題 報告その1

6月12日に行った私の一般質問のうち「上下水道局庁舎問題について」のやりとりについてご報告します。(質問、答弁、質問の意図及び答弁に関する評価)

なお、座間市議会インターネット中継もご参照ください。
http://www.kensakusystem.jp/zama-vod/index.html

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質問1:導入可能性調査段階で「平成30年4月開庁」とした理由は何か?

上下水道局長:「公営企業である上下水道局が、企業としての自主性・独立性を高めるとともに、水道料金お客様センターに係わる諸般の課題等を解決するために、できるだけ早期に課題を整理した環境で業務を開始すべく設定した」

*この質問は、導入可能性調査が恣意的な検討方法であったことを明らかにするためのもの。導入可能性調査は、「公設・公営方式」「リース方式」「PFI方式」の三つを比較検討していますが、「平成30年4月までに新庁舎での営業を開始したいという市の方針に対し、公設方式やPFI方式では時間的余裕がない」と結論付けています。

しかし、これは当たり前。「公設・公営」の場合は、基本設計・実施設計・工事と最低3ヵ年を要し、PFIの場合もPFI法に基づく手続きからすれば同様に3年以上はかかります。ですから新庁舎での業務開始を2018年(H30年)4月とすれば、それだけで公設・公営方式やPFI方式は自動的に選択肢から外れることを意味するのです。

では、「平成30年4月」までにどうしても開庁しなければならない特段の理由があったのか言えば、上記の答弁のとおり「できるだけ早期に」ということの他理由は見当たりません。これでは、公正な比較検討とは言えません。

質問2:導入可能性調査報告書の事業スキームでは、事業者利益は「20年間で2697万4千円または2564万9千円」と理解してよいのか?また、この事業者利益の想定は現実的なものだったのか?

上下水道局長:「現時点において改めて考えると、コンサルタントによる事業者利益の想定は、現実的ではなかったと今は考える」

*この質問は、いかにいい加減な導入可能性調査によって、今回のPPP(官民連携)事業のゴーサインが出されたのかを明らかにするもの。この試算では、事業者利益の想定は年間128万円~135万円。わずかこれだけの「利益」で民間事業者がこの事業に参入してくるわけがありません。ちなみに、今回契約をおこなった大和リースの事業者提案書では事業利益は20年間で2億円、年間1000万円を見込んでいます。

答弁では、「現実的ではなかったと今は考える」と率直に認めています。

質問3:2016年5月の実施方針までは、事業フレームは「上下水道局は事業者に対しリース費用を支払い、商業施設賃借料は事業者に収入されるものの、上下水道局が支払うリース料と相殺され、これにより上下水道局の費用負担が軽減される」というものであったが、2016年8月1回目の公募(結果は応募なし)時から「商業施設賃借料と上下水道局が事業者に支払うリース料が必ずしも相殺されるものではない」というものに変更された。事業フレーム変更の理由は?

上下水道局長:「提案事業者側に一定の利益を見込んだうえで、よりフレキシブルな提案がいただけるようにと見直しをはかった」

*前述の「事業者利益」問題に象徴される、いい加減な導入可能性調査段階での事業フレームでは、応募してくる事業者がないと判断し、より事業者利益が確保されるように事業スキームを変更したということ。

質問4:上下水道庁舎に併設されるコンビニ等の商業施設は、駐車場の確保がその収益性に大きく影響してくるが、駐車場の配置条件は次のように変更されている。2016年5月「敷地内には9台以上の駐車スペースを確保。駐車場への進入については、東側道路からの進入とする」。2016年8月1回目の公募時「敷地内には、外来者用の駐車スペースを確保。東側道路からの進入とする」。2016年11月再公募時「敷地内に外来者用の駐車スペースを確保」。駐車場の配置条件が変更された理由は何か?

上下水道局長:「提案事業者によるフレキシブな提案ができるように、進入方向の限定をなくした」

*この質問は、前述の非現実的な事業者利益を想定した事業フレームから変更をしたものの、その結果そのしわ寄せが駐車場問題(台数、交通安全上の配慮)になっていることを明らかにするためのもの。当初の「9台以上、東側道路からの進入」は、適切な駐車場台数の確保という点からも、また、交通安全対策という点からも妥当な案。要求水準を緩和したことにより、契約した大和リースの提案は「身障者用駐車スペースを含んで5台分、進入経路は交通安全上問題が多いと思われる北側道路からの進入」となってしまったのです。

これはおそらく、コンビニ等の収益性からも、交通安全上からも、東側道路からの進入で、駐車台数を最大限確保する施設配置が最適であると当局は認識しつつも、これを要求水準とすれば、事業者にとっては既存の擁壁の撤去、土地の造成、新たな擁壁の築造などの整備費が重荷となり、事業利益を確保できないのでないかという点から、要求水準が緩和されたというもの。

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<上下水道庁舎建設用地 すでに工事が始まっている>

質問5:この表は、昨年8月の債務負担行為議決前に当局が公設公営方式とリース方式とのコスト比較を再計算したものと、大和リースの事業提案書を合わせたもの。公設・公営方式の当局の試算における上下水道局の負担額5億5922万9千円は、施設整備費やメンテナンス費用等の総事業費の合計額であって、自ら試算しているお客様センター賃借料5966万4千円と商業施設賃借料6079万4千円が差し引かれておらず、これらを総事業費から差し引くと、公設・公営方式の場合の上下水道局の負担額は4億3877万1千円となり、リース方式より8383万5千円ほど安いということになる。公設・公営方式の場合、なぜ賃借料を総事業費から差し引かないのか?

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上下水道局長:「公設・公営とリース方式とのコスト比較において、収入を含めた額で比較すると、確かに公設・公営の方がかかる費用が安くなる。しかし、募集要項の公告時点では、賃借料による収入の運用について、リース費用と相殺するか、収入を事業者の利益とするかは、提案事業者に委ねる形とした。これにより収入額及びその運用については、相殺があった場合と事業利益をされた場合とで、大きな違いがあり、収入分を含めて単純に比較するには不確定な要素が大きいことから、支出する費用での比較により、検討を進めた」

*この質問は、今回PPP・リース方式による庁舎建設が妥当なのか否かの最も重要な論点。今回答弁が一歩前進したのは、「収入を含めた場合は、公設・公営の方が安い」と認めたこと。それでも依然として、リースの場合は事業者が賃借料収入を全部「利益」とすることができるフレームに変えたので、公設・公営の場合は「収入分を事業費から引いて、単純に比較できない」という「論理」。

これはあきらかに無理があります。なんのためのコスト比較なのでしょうか?これでは、公設・公営の場合は賃借料収入があったとしてもそれが試算に反映しなくなり、コスト比較自身が成り立たなくなります。

質問6上下水道局庁舎における「お客様センター」賃借料は、契約上は受託業者が支払うこととなるが、上下水道局が受託業者へ支払う委託料に賃借料分は含まれおり、さらに大和リースと受託事業者との契約において、事業提案書で示された額を下回った場合は、上下水道局が差額を支払うこととなるので、実際上は上下水道局が負担するものと思われる。こうした理解でよいか?

上下水道局長:「受託業者がリース会社に支払う賃借料は、委託料の積算において計上しているものであるが、受託事業者の判断の中で賃貸借契約を結び支払うものであり、全く別のものと考える」

*この質問は、公設・公営方式とリース方式とのコスト比較以上に、実質上の上下水道局の負担があることを明らかにするためのもの。これも他の答弁と同様ですが、質問内容に正面から答えていません。質問で「形式上は受託業者と大和リースとの契約」だが、「実際上はどうか?」と聞いているにもかからず、「形式的な契約」だけを盾に取ってで答えているにすぎません。

また、「お客様センター賃借料」を実質的には局が負担するだけでなく、その他にも前回の質問で述べたように、メンテナンス等の要求水準も事業者側に有利なように変更が繰り返され、維持・管理経費の一部も局が負担することとなり、総じていえば、間違いなく今回のリース方式と公設・公営方式を比べれば、公設・公営の方が安く、施設配置においても公益性の高いものであったということです。

以上、今回は、「PPP(官民連携)・リース方式を選択した妥当性の検証」部分の質問と答弁の報告とその解説。できれば次回には、「意思決定過程、手続きの妥当性の検証」について、詳しく報告したいと思います。

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2017年6月16日 (金)

続報:座間市でも 市・県民税決定通知書記載のマイナンバー流出

昨日のブログでお知らせしたこの問題。当局は「現在調査中」とのことで、具体的なことは教えてくれなかったのですが、本日、議会へ行くと以下の文書が議員に配布されていました。(赤字部分は私の加筆)

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(PCの方は画像をクリックすると拡大されます)

これによると、現在までに確認されているマイナンバーを含む「特定個人情報」の漏えいは、16件ー20人分。このうち、事業所側からの連絡で発覚したのが、9件ー10人分。市側の調査で発覚したのが7件ー10人分とのこと。漏えいされた個人情報は、「住所」「氏名」「個人番号」「市県民税額」の4種類。

昨日の今日で、速やかなる対応をみせた座間市ですが、気になるのは以下の点。

「6 被害状況」

「外部への流出は確認されていない」

という記述。明らかに第三者へ情報が流出しているにもかかわらず、「外部への流出は確認されていない」ってどういうこと?ということです。

担当課長に聞いてみると、

「誤って送られた通知書を開封したのは、事業所の経理担当の人。その人以外には漏れていない」

というもの。????。誤って送られた事業所の経理担当者だけであっても、ふつう、それは「外部流出」って言うんでしょ。文章の冒頭で「特定個人情報が漏えいする事案が発生しました」と記述しているにもかかわらず、ですからね。おそらく、事の重大性をなるべく緩和したいという心理が働いたものと思われますが、こういうことって、正確に事態を知らせ、言葉を厳密に使用するのが基本じゃないでしょうかねえ。

今回の問題は、座間市だけでなく全国的にも見られるもの。私は、一義的な責任は総務省にあると思っています。漏えいの危険性のある送付方法であることを承知の上で、実務上必要のないマイナンバーをあえて記載するよう通知を自治体へ出したわけですから。地方自治体も、まず総務省の責任を問うべきです。

そして、残念ながら具体的事務を行った座間市も責任の一端はあります。昨日も紹介しましたが、総務省の通知はあくまでも「助言」であって、それに従うかどうかは本来なら地方自治体の独自の判断のはず。現に神奈川県内でも、マイナンバーを記載せずに通知書を送付している自治体があるわけですから。

さあ、座間市はこうした事態の中で、何を教訓とするのか?! なかなか教訓化したり、総括するのが得意ではなさそうなので、しっかりと考えていただきたいと思います。(でも、やっぱり「国に従う」って言うのかなあ)

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2017年6月15日 (木)

座間市でも 市・県民税決定通知書記載のマイナンバー流出?!

座間市は、今年5月に事業者へ送付した市民税・県民税決定通知書(いわゆる給料からの天引き分)に従業員の個人番号=マイナンバーを記載したものを送付しましたが、誤送付等により、マイナンバーなどの「特定個人情報」の漏えいがあったようです。

「あったようです。」と言うのは、私が昨日担当課長に

「今、いろんな自治体で住民税決定通知書の誤送付などにより、マイナンバー等の特定個人情報が漏えいする事件が発生しているが、座間市ではどうか?」

と尋ねたところ、担当課長は、

「事業者から連絡があり、座間市でも誤送付がありました。」

と認めました。そこで、私が、

「何件で、何人分の情報が漏えいしたのか?」

と聞くと、

「現在調査中です」

とのこと。そこで私が

「『調査中』って言うけれど、誤送付は事業者側からの連絡でわかったんでしょ。今まで何件の事業者から連絡があったのは把握しているでしょ」

というと、

「それも含めてお答えできません。現在、通知書の送付先のデータを再確認していますので、その調査が終わればお知らせします」

とのこと。

そんなことで冒頭の「あったようです」という記述になった次第です。

ここで、もう一度この「通知書問題」について整理をしておきますと、私がこの問題を知ったのは、今年の市議会第一回定例会に「平成29年度からの特別徴収税額の決定・変更通知書に受給者の個人番号を記載する件についての陳情」というのが提出され、私が所属する企画総務常任委員会に付託されたことがきっかけでした。

どういうことかをいう事と私の見解を知ってもらうために以下ちょっと長くなりますが、第一回定例会における私の陳情賛成討論を引用します。

次に、陳情第11号「平成29年度からの特別徴収税額の決定・変更通知書に受給者の個人番号を記載する件についての陳情」に対し、賛成討論を行います。

本陳情は、「給与所得者等による市町村民税・道府県民税特別徴収額の決定・変更通知書に受給者の個人番号を記載しないこと」等を求めたものであります。これは、本市の行政事務に置き換えてみますと、市が市民税・県民税の特別徴収額(いわゆる給料からの天引き額)を事業者へ送付する際に、特別徴収を受ける従業員の個人番号を記載する欄が設けられ、その記入については、「記入してくださいよ」という助言が国からあったということであります。

法令上からすれば、個人番号の記載欄は、総務省令である「地方税法施行規則の一部を改正する省令」の中の「様式」として定められているものであり、記入に関しては地方自治法第245条の4に基づく「技術的助言」に過ぎません。なお、省令は、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができないこととなっております。故に記入にあたっては省令ではなく、「技術的助言」という形をとっているわけであります。

当たり前の話ですが、「技術的助言」ですから、それに従うのか従わないのかは、地方自治体の独自の判断によるものでありますので、自治体によっては自らの判断で個人番号を記載しないことを決めている自治体もあります。しかし、残念ながら本市も含めて多くの自治体が国の「助言」に、ひたすら従う姿勢を見せている中で、個人情報保護の観点から、その対応をあらためるよう求める陳情であると理解致しました。

市から税額の決定の通知を受けた事業者が、住民税のいわゆる天引きに係わる事務を行うに当たって、個人番号は一切必要はありません。このことは、市当局の答弁でも改めて明らかになりました。また、必要がないにもかかわらず個人番号を記載することは、特別徴収を行う全ての事業者に送付されるわけですから、個人番号の漏えい、流出のリスクが生じてきます。さらに、勤務先に個人番号の提供を拒否した従業員からすれば、本人の承諾なしに、個人番号が事業者へ知らさせることとなります。

これは、個人情報の自己コントロール権を侵害するものでありますので同陳情に賛成するとともに、当局においては、特別徴収額の税額決定等に通知にあたっては、必要のない個人番号を記載しないよう求めるものであります。

ご覧になっておわかりのとおり、国は、事業者の事務手続き上全く必要のないマイナンバーをあえて記載させるよう自治体へ求め、唯々諾々と従った本市をはじめとする少なからぬ自治体で漏えいが発生したということです。この中でも述べていますが「個人番号の漏えい、流出のリスク」がまさに現実のものとなったわけです。

さあ、この事態に対し座間市はどう対応するのでしょう?

「調査中」ということなので、その結果を待ちたいと思いますが、注目しておきたいと思います。(まさか、今さら「確認できなかった」なんていう今流行のフレーズが返ってくることはないでしょうが)

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<画像は市・県民税特別徴収の決定・変更通知書(特別徴収義務者用)>

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2017年6月13日 (火)

再び、PPP(官民連携事業)による上下水道局庁舎について 一般質問

座間市議会は、今日で三日間にわたる一般質問が終了。明日からは企画総務、健康福祉、都市環境の順番で予算決算常任員会分科会と常任委員会が開催されます。

私の一般質問は昨日。

(内容はこちらから http://d.hatena.ne.jp/okinagaakihisa/

予定通り、ほぼ八割がたを上下水道局庁舎問題に集中しました。結果はどうだったのか?という点は、少し整理してまた報告したいと思いますが、とりあえず、時間のある方は上記の質問内容をご覧ください。

通常私の一般質問では、最初の質問では自分の評価や意見を交えず、事実関係を示して市長や当局の見解を問い、再質問で自分の意見を交えて再度質すという手法なのですが、今回はめずらしく最初から自分の分析・評価を示して、問いただしました。

というのは、この問題ではけっこう資料を収集し、事実関係が明らかになり、問題点を説明する上では詳細な事実関係にわたるものとなりましたので、なるべくわかりやすくするためにこういう方法をとりました。

ですから、最初の質問原稿だけでも、今回の問題がわかるように、

・事業の概要
・事実経過
・論点1:PPP(官民連携)・リース方式を選択したのは妥当だったのか
・論点2:事業推進過程、意思決定過程は適正だったのか

と、整理して質問しました。

長文ですが、ご覧いただき、ご意見などお寄せいただければと思います。

なお、上下水道局庁舎問題以外の質問についての市長並びに当局の答弁は以下のとおりです。

入札制度=入札参加地域区分の見直し

市長より、「現状の問題については理解できる。今後、必要に応じて見直していきたい」という旨の答弁がありました。

水道法改正案に関係して、座間市営水道の広域化=大規模事業体との合併、コンセッション方式=民営化について

企業管理者より、「広域化、民営化ともに考えていない。地下水を主要水源とした座間市の水道事業を守っていく」旨の答弁がありました。

共に、この答弁には私も了解の意思を表明しました。

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2017年6月10日 (土)

私の一般質問は6月12日(月)9:00~

昨日から座間市議会は、一般質問。6/9(金)12(月)13(火)の3日間で19人が登壇予定ですが、私の順番は8番目。ちょうど真ん中付近ですから、間違いなく2日目(12日)だろうと思い、昨日は質問原稿も配布資料も議会には持参せずに登庁。ところが、午前中で3人の質問・答弁が終了、4人目の質問まで進んだところで昼休みとなりました。

「おい、おい、このままじゃ順番が回ってきそう」という事態。実は、この段階で質問原稿は完成しておらず、配布資料は全く準備できていない状態。仕方がないので、昼休み急いで食事をとった後、書きかけの質問原稿を取りに戻り、議会事務局のコピー機で資料作り。そんなドタバタの中、とりあえず準備を整えていたら、私の前で「本日の会議はこの程度にとどめ・・・」という議長の口上。結局、私の登壇は、12日(月)午前9時~となりました。

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今回の私の一般質問のテーマは以下のとおり。

1.入札制度について

2.上下水道局庁舎問題について

3.水道事業の今後について

1.は、座間市の入札参加要件と近隣他市の参加要件と比較し、その違いについて質していくつもりです。工事入札を例にして簡単にいうと、座間市の参加要件では工事金額に関わらず「地元オンリー」はなし。しかし、近隣の市では、工事金額1億円~1億5千万円未満は「地元オンリー」。座間の市内業者からすれば、市発注工事では他市とのし烈な競争にさらされるものの、他市の工事には実際上入札参加できないという状態。これをどう見るのか、当局と議論したいと思っています。

2.は、今回の質問のメインテーマ。およそ質問の八割方は、この問題に集中します。大きな論点は、「PPP(官民連携事業)・リース方式を選択したのは妥当だったのか」ということと「PPP事業を推進するにあたっての意思決定過程及び手続は適正に行われたのか」ということ。資料を用い、具体的に質問していきます。

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<上下水道局庁舎建設予定地>

3.は、今国会に提出されている「水道法の一部改正」について。今国会では成立は不可能と見られていますが、この法案には大きな問題が秘められています。キーワードは「広域化」と「民営化」。「広域化」は座間市営水道のような小規模事業者にとっては死活問題ですし、民営化は新自由主義の流れの一環で、重要なライフラインである水道を営利企業に託してよいのか、という点です。

座間市議会の一般質問の議員一人当たりの持ち時間は、質問だけで60分(答弁を含めず)。これはまだ平等かつ十分に確保されています。(今後はどうなるかわからない気配ですが) これはいつものことですが、持ち時間60分をフルに活かして、議論に臨みたいと思っています。ご注目をお願いします。

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2017年6月 2日 (金)

なんだがおかしいぞ、座間市議会

今日は、座間市議会第2回定例会の開会日。議題は、専決処分の承認案件が二つ、補正予算などの今定例会で常任委員会へ付託される議案が四つ、報告案件が3つと審議すべきもののボリュームとしては比較的少ないもの。いずれの議題でも質疑が行われたものの、質疑者も少なく、その時間も短いものでしたが、大変気になるというか、おかしな出来事がありました。

それは、議長の采配と当局の答弁態度。

私と同じ会派に属さない議員である加藤陽子議員と安海のぞみ議員が質疑をした際に、加藤議員の質疑に対しては複数の質疑については当局側は答弁をせず、安海議員の質疑に対しては、議長が当局に対して

「議題の範囲内で答弁してください」

と注文をつけ、当局側が聞かれていることに答えない場面があったことです。

具体的には、加藤議員は「座間市特定教育・保育及び特定地域型保育に係わる保護者負担額に関する条例の一部を改正する条例」、安海議員は「座間市地域包括支援センターの包括支援事業の実施に必要な基準を定める条例等の一部を改正する条例」の質疑。ここでは、両条例改正の内容を詳しく紹介はしませんが、ともに国の政令が改正されたことにより、ある意味「自動的に」条例を改正しなければならないことで、「市長の専決処分」といって、議会の議決を経ずに首長が処理することが可能な案件で、いわば「事後承認」とでも言うべきもの。

確かに、国の政令改正に伴う条例改正ですから、当局側としては「市としての裁量的余地はないし、質疑を受けることなどない」ということなのでしょうか。議長も当局側も「今回、変更となったこと以外は、答弁の対象外。答える必要なし」という見解のようです。

答弁を拒否された二人の議員から話を伺うと、こんなことが事前にあったようです。

座間市議会では、質疑の議長への通告は、当日の朝。制度上、答弁する当局への通告義務はありません。しかし、多くの議員さんは、しっかりとした答弁をしてもらうために、事前に当局側にヒアリングをしたり、質疑内容を伝えたりします。これはあくまでも任意のものです。

今回も両議員は、質疑内容を担当課長等に事前に伝え、担当職員も予定された質疑全てにわたって答弁書を作成したようです。ところが、議会答弁は、市長、副市長と部長などで構成される「調整会議」で答弁書が確認されるようですが、この「調整会議」で質疑のうち、いくつかのものについては上記の理由で「答弁の必要なし」という判断になったようなのです。(調整会議の中で誰が言ったのか定かではありませんが)

それが、両議員へ職員から伝えられ、当然ながらお二人は「それは、おかしい。やっぱり聞きますよ」と拒否したようです。すると、今度は議長、副議長から呼び出され、質疑項目のうちのいくつかのものについては、「質疑をやめてほしい」「聞かれても(議長は当局に)答弁を求めない」と言われたとのこと。これが、上記の「議題の範囲内で答弁してください」という異例の口上となったわけです。

問題は大きく二つあると思います。

一つは、両議員が答弁拒否された質疑は「議題外」なのか?ということ。座間市会議規則(「標準会議規則というアンチョコがあって全国の地方議会でほとんどがこれを採用している)第54条(発言内容の制限)では、次のように定められています。

「発言は、すべて簡明にするものとし、議題外にわたり又はその範囲を超えてはならない」

今回、加藤議員の場合は、議題は「専決処分の承認について(座間市特定教育・保育及び特定地域型保育に係わる保護者負担額に関する条例の一部を改正する条例)」で、保護者負担額の上限を引き下げるという内容。答弁拒否された質疑は、

「今回の政令の一部改正の目的は?」

「今回の条例の対象とならない幼稚園に支給されている就園奨励費の増額等はあるのか?」

安海議員の場合は、議題は「専決処分の報告について(座間市地域包括支援センターの包括支援事業の実施に必要な基準を定める条例等の一部を改正する条例)」で、主任介護支援専門員の更新研修を明確化するもの。答弁拒否された質疑は、

「市内の介護支援専門員の配置状況は?」

「研修費用のどれくらいで、個人負担なのか?」

「研修の実施主体は?」

というもの。両議員に対し失礼にあたっては恐縮ですが、別に、問題点を追及する「キラー質疑」でもありませんし、単なる確認事項とでもいうべきもの。そして何よりもこれが、「議題外にわたり又はその範囲を超える」ものと言えるでしょうか。議員が条例改正に伴って「運用がどうなるのか?制度の現状はどうなっているのか?」等について質すのは当然のことでしょう。

一方、「自民党・いさま」という最大会派の質疑では、一般会計補正予算について、その中に含まれている「地下水位常時観測事業費」で水位観測計の修繕の質疑で、

「座間市の地下水位の状況のどうなっているのか?」

なんていうものでしたが、議長は何も言わず、当局は真顔で答えています。両議員の答弁拒否の理由すなわち「条例の改正部分から範囲が超えている」というものからすれば、「修繕費支出の妥当性」とは関係なく、「範囲を超える」というものになりませんか。

私は、何も「自民党・いさま」の質疑について、「議題外にわたりその範囲を超える」なんて思いませんが、議長、当局の恣意的な議事整理と答弁拒否としか言いようがありません。(もちろん、質疑の「質」についてあれこれいう気もありません。それぞれの議員のお考えですから)

二つ目は、本会議場では、「議長の口上」=「範囲を超えた質疑は答えなくてもいいよ」があって当局の答弁拒否となっていますが、実際は当局が最初に答弁拒否の姿勢を示し、それに両議員が納得しないので、当局から議長・副議長へ伝えられ、いくつかの項目について質疑を取り下げるように迫ったという事態。これでは「議長・副議長は当局の出先機関か?」という言いたくなります。本来なら、こんなことで答弁拒否しようとする当局に対し、「誠実に答弁しなさいよ」と諭すのが、その「議会の代表」としての役割でしょ。どっちを向いて職務をやっているんでしょうか。

だいぶ、長々と書いてしまいました。議会外の方からみれば、「そんなことで」と思われるかもしれません。小さなことかもしれませんが、議会人として言わせてもらえれば、自由闊達な座間市議会の良き作風は、どこへやら。「なんだがおかしいぞ、座間市議会」と言わざるを得ません。

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