難民は人口問題?! 驚くべき安倍首相の認識
安倍首相は、ニューヨークでの国連総会演説後の記者会見で、海外の記者から「日本がシリア難民を受け入れる可能性は?」と尋ねられ、次のように答えたとのこと。
「(難民受け入れは)人口問題として申し上げればですね、いわば我々は移民を受け入れるよりも前にやるべきことがある。それは女性の活躍であり、あるいは高齢者の活躍であり、そして出生率を上げていくには、まだまだ打つべき手があるということでもあります」
ほんとにこの人は、コミュニケーションのできない人ですね。「難民を受けいる可能性は?」と聞かれているのに、「人口問題は、まだまだ打つべき手がある」と答えているわけですからね。
でもよくよく考えてみると、この人の難民に対する「認識」がはからずも明らかになってきます。
日本も締結している「難民の地位に関する条約」では、
「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた人々」
と定義されており、人口問題、労働力問題とはなんら関係はありません。普遍的な人権保障の課題です。そして、当たり前の話ですが、日本を含めて難民条約に加盟している国は、難民を保護する義務があります。
ところが、安倍首相の難民に対する認識は、「うちの国は、まだまだ出生率をあげて人口を増やすことができる」と答えているわけですから、この「勘違い」は、致命的。世界に向かって、日本の首相の難民問題への認識は、「この程度のものです」ということを明らかにしてしまったわけですから。
ちなみに条約締結国でありながら日本は難民の受け入れを事実上拒んできました。日本への難民申請は昨年5000人にのぼり、これに対し、認定されたのは11人。他に110人が「人道的配慮」で一時的在留を認められてきましたが、「難民認定率」は1%にも満たないもの。
「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和にうちに生存する権利を有することを確認する」
日本国憲法前文の一節ですが、平和的生存権は日本国民のみならず全世界の国民にあることを確認しているもの。この趣旨からすれば、1%にも満たない難民認定率は、ありえません。
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