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2014年10月31日 (金)

沖縄知事選に思うこと

昨日から沖縄知事選挙が始まりました。最大の争点は、やはり辺野古新基地建設問題。各立候補者のこの問題に対する考えは、以下のとおり。

http://www.asahi.com/articles/ASGBW5D4WGBWTPOB007.html

一方、「政府広報紙」として名高い読売新聞の社説では、

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20141030-OYT1T50132.html

不思議なことに読売新聞は、自民党推薦候補である仲井真氏の最大の対抗馬とされている翁長氏の「辺野古移設反対」の主張についての批判はなく、「辺野古埋立承認の撤回・取り消し」を訴える喜納氏に対しては、「法律には承認撤回の規定はない」と釘を刺しています。

では、この辺野古新基地建設に関する沖縄県知事の埋め立て承認について振り返ってみると、昨年12月末、今年1月の名護市長選を前にして仲井真知事は、これまでの公約=「普天基地の県外移設」を破り、辺野古埋立申請を「承認」しました。

そしてこの「承認」に基づいて、防衛省は辺野古新基地建設の工事に着手しました。こうした中、今年9月10日菅官房長官は、沖縄知事選と辺野古新基地建設について次のような発言をしています。

「仲井真知事による辺野古の埋め立て承認、これが全てである」
「埋立承認がある限り、粛々と工事を進めている。この問題は過去の問題だ」
「知事選で移設反対の候補が勝っても、工事に影響はない」

これは、11月16日の沖縄知事選において、「辺野古移設反対」の知事が誕生したとしても基地建設は強行するという強い意思を表明したものですが、はからずも政府が工事を強行するあるいは正当化する根拠を明確に示す形となりました。

それは、「埋立承認がある限り」という言葉。逆説的に言えば、埋立承認が撤回あるいは取り消しされれば、政府は工事を強行する根拠を失うということです。

一方、菅官房長官の会見から3日後の9月13日、「辺野古移設反対」を訴える翁長前那覇市長が知事選出馬会見を行いましたが、埋立承認の「撤回・取り消し」については名言せず、その後「あらゆる手段を講じて辺野古移設に反対する」または「撤回・取り消しも視野にいれて対応する」というスタンスを示しています。

翁長氏は、前回知事選では仲井真氏の選対本部長。仲井真氏が、「県外移設」という公約を破り辺野古移設推進となったことにより袂を分かち、自民党から除名された那覇市議ら保守系から、社民党、沖縄社会大衆党、共産党などの「革新」勢力までのいわゆる「オール沖縄」で、今回の知事選に臨んでおり、この「埋立承認の撤回・取り消し」問題は、いわば「妥協の産物」、名言しないということが「一致点」となっているようです。

翁長氏も「オール沖縄」について、「腹八分、腹六分がちょうどよい」と発言されておりますが、一方で、「この問題を詰めるな。あいまいにした方が良い」とタブー視する風潮もあるようです。

では、なぜ翁長陣営が埋立承認の撤回・取り消しを名言しないのか?

予想されることは二つ。一つは、行政法上埋立承認の撤回・取り消しが可能かどうかという問題。二つ目は、撤回・取り消しを行うことについて、政治的にどうしても拒否したい勢力がいるということ。

まず、埋立承認という知事の行政処分の撤回・取り消しが可能か、と言う点。法的な理解としては、以下のようになるようです。

撤回=手続きに特段の瑕疵(本来あるべき要件が欠けていること)はないがその効力を持続させるべきでない理由が見つかったり新たに発生した場合。

取り消し=手続きに重大な瑕疵があると立証できる場合。

仲井真氏が知事として行った公有水面埋立承認処分は、公有水面埋立法と環境影響評価法に基づくもの。公有水面埋立法では、

(1)国土利用上、適正かつ合理的であること
(2)その埋立が環境保全及び災害防止について十分配慮されたものであること
(3)埋立地の用途が土地利用または環境保全に関する国または地方公共団体の法律に基づく計画に違背しないこと

など6項目の条件に合致しない限り「免許を出してはならない」(第4条)と定められています。

では、

(1)について、新基地建設が「国土利用上、適正かつ合理的」であるのか。
(2)について、県知事意見書は「環境の保全を図ることは不可能」としているが、「十分配慮」されているのか。
(3)について、沖縄県や名護市などの総合計画との齟齬はないのか。

等々、承認手続きの瑕疵をめぐっての論点は充分にあり、その立証も可能ではないかと思います。したがって、「可能かどうか」というより、仲井真氏の「承認」がおかしいと思うならば、(政治的道義的にはいうまでもないことですが)法的にも、瑕疵を認め、取り消しをする意思があるかどうかという問題だと私は思います。

となると、本当の理由は二番目の理由。すなわち、どうしても撤回・取り消しを政治的に拒否したい勢力が存在する、あるいはそれを許容する人々がいるということが、実際ではないでしょうか。

沖縄県民に対する仲井真氏の裏切り、これはもう明確になりました。では、新知事にこの二の舞を演じさせないようにするためにも、辺野古新基地建設を阻止する具体的な方策=知事権限の行使=埋立承認の撤回・取り消しを求める候補者の当選を期待するものです。

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