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2014年5月 7日 (水)

また一つJapan Brandが失われた。

(4月上旬に書こうとしていたものですが、時間がなくそのままにしていていたものを、改めて加筆してアップします)

安倍政権は「武器輸出三原則」を破棄し、武器輸出を可能にする政策転換を4月1日に閣議決定しました。

武器輸出三原則は、1967年に佐藤政権が主に「共産圏」や紛争国に武器を輸出しない方針を表明し、76年には三木政権が基本的にどこの国に対しても武器輸出は慎むとの方針に格上げして以来、約半世紀にわたり非核三原則と並び日本国憲法の基本理念である平和主義を具現化する政策。

この政策転換については、今年2月経団連の防衛生産委員会(三菱重工業や川崎重工業など、防衛関連産業約60社)が「防衛装備品について他国との共同開発に限らず、国産品の輸出を広く認めるべきだ」として、自民党の国防部会関連会合で提案。これを受けてこれまでの原則×(バツ)の「武器輸出三原則」を撤廃し、原則○(マル)の「防衛装備移転三原則」を閣議決定したのです。

では、その「理由」は何か?

政府は政策変更の理由として、「米国をはじめとする友好国と最先端の武器の開発プロジェクトへの参加が可能になることで、高いレベルの技術共有が可能になる」と説明していますが、共同開発に参加をしても、最先端技術の部分はブラックボックス化されていて、日本にそのノウハウが提供されるのは考えられませんし、米国企業等のライセンス生産の下請けがいいところでしょう。

では「経済」=「カネ」のため?

確かアベノミクスなるものは、第一の矢が「金融政策」、第二の矢が「財政政策」、第三の矢が「成長戦略」だったはず。第一、第二については、その是非はともかく、大幅な金融緩和と史上最大の国家予算という「形」を示しましたが、第三の矢=「成長戦略」は、なかなか姿を見せていません。

ひょっとして「成長戦略」とは、この武器輸出と原発輸出?ということなのでしょうか。武器と原発の輸出に頼ろうとするのでは、まさに「死の商人」でありませんか。

しかも、くしくも最先端技術、核心的技術がブラックボックス化され、米国企業等の下請けとして役割は同じ。「親分」へ「みかじめ料」を払い、小銭をかせぐチンピラ程度の「あがり」でしょう。はっきり言って経済的効果も?です。(防衛庁ご用達企業である日本の防衛産業に、世界の武器市場での価格競争力があるとは思えません)

となると、一体何のために?

残る理由は、アベちゃんにとって「武器輸出三原則」が、冒頭述べたように憲法の基本理念である平和主義を具現化する象徴的政策であった(いわゆる「戦後レジーム」の一つであった)が故に、中身はどうであれ、それを捨て去ること自身に意味があったということ。

しかし、この代償はあまりにも大きいとしか言いようがありません。東チモール、アフガニスタンなどで国際NGOや国連職員として武装解除に携わった伊勢崎賢治氏(東京外国語大学教授)は、日本の「平和ブランド」について、次のように語っています。

「経済大国というものは戦争をするんですよ。ところが日本は経済大国なのに戦争をしない。この『安心感』『信頼感』は、アジア諸国、近隣諸国へのメッセージとしては絶大であった」

アベちゃんとその取り巻き連中の屈折した「見栄」が、その最大の理由であったとするならば、そのために「Japan Brand」をまた一つ失ったそのロスは、あまりにも大きい。

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