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2013年4月18日 (木)

原発のコスト計算と損害賠償

先日、立命館大学教授の大島堅一さんのお話を伺いました。私が大島さんのことを知ったのは、2011年福島第一原発事故の後。「実は原発のコストは他の電源と比べてけっして安くない」ということを実証的に明らかにしたお話でした。

その後大島さんは、政府のコスト検証委員会の委員の一人として、原発のコスト推計に関与されています。今回は、コスト検証委員会が示した数字をもとにお話されていました。以下はその要旨。

1kWhあたりのコストは、原発:9.0円以上、石炭火力:9.5円、LNG火力:10.7円。なぜ9円以上なのかと言えば、事故費用が確定できない。

コストの計算は、発電コスト+社会的費用

発電コストは40年間の発電コスト÷40年間の総発電量。 だが、総発電量は「原発50基、40年間稼働」で計算されており、これはありえない。

社会的費用は、
・政策費用(研究開発費用、立地対策費用)
・事故費用(事故収束費用、損害賠償費用、地域再生費用)
に分解される。

小委員会の試算では、事故費用=5兆円、政策費用=1.1円/kWhとしているが、これは過小評価。

今後のコスト増大要因として
・政府による資本注入 1兆円(2012年5月)
・東電 事故収束に10兆円必要(2012年11月)
・新基準の適合のために最低1兆円必要(2013年3月)
・財物賠償はこれから
・地域再生事業は手つかず
・将来の健康リスク(作業員、住民)は不確実
・除染費用、廃炉費用は不透明、不確実

よって事故費用総額は20兆円を超える可能性すらある。

というものでした。

原発の1kWhあたりのコストは9円以上とはなっているものの、「以上」という部分が重要だということでしょう。これははっきり言えば「無限大」ということではないでしょうか。(だって、高レベル廃棄物の管理は10万年ですからね)

あと大島さんが今回指摘していたことは、「誰が損害賠償支払いを行うのか」ということ。

事故後の損害賠償スキームは、東電が被害者に損害賠償を行うことになっていますが、東電には、原子力損害賠償機構から資金援助が行われています。この原賠機構の資金原資は、政府からの公的資金=交付公債と東電以外の原子力事業者(電力会社)の負担金。政府の公的資金は税金で、東電以外の原子力事業者の負担金は電力料金として、結局巡り巡って全て国民が負担することになっているわけです。

東電をつぶさなかったことによる影響は、すべて国民に転嫁されるという構図。これもまた「地獄」です。原発事故の被害者さえ賠償のための負担から逃れられないことになります。

安倍政権は、最近の円安により「原発を止めていると燃料費が高騰し、電気料金があがる」として、原発再稼働の衝動をますます強めていくかもしれませんが、それは更なる「無間地獄」への道。やはり、改めて東電の破たん処理からやり直すべきでしょう。

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